#2『教会』
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っただろうが!!いつになったら片付けるんだ、クド!!」
スワイは声を荒げてこの部屋の主を叱り飛ばす。しかし叱られた当の本人は、全く怖がる素振りも理解するそぶりも見せずにへらりと笑う。
「放っておけばスワイが片付けてくれると思いまして」
「馬鹿かお前は!!そんなわけがあるか!!」
「だってだってぇっ! 僕が片付けるよりスワイが片付けた方が綺麗になるじゃありませんか。僕の掃除の腕前知っているでしょうドヤァ」
「ド・ヤ・る・な!!」
どれだけ叱っても脅しても、なおへらへらした笑みを消さないのが、アドミナクド・セント・デウシバーリ・ミゼレと言う名の男……この部屋の、ひいては…信じられないかもしれないが…この世界の主である、《教会》の統治者……すなわち《教皇》である。
まったく、なぜこのような男が世界の支配者などと言う存在なのだ、と、つくづくスワイは不思議に思う。こんな奴が《救世主》だなどと、こっちが願い下げだ。
それでも、この男は《王都》の市民たちから熱狂的な指示を受ける。市民たちは彼のぐうたらな側面を知らないのだ。これを知っているのは、彼の幼馴染にしてお目付け役にあたる《教皇補佐官》であるスワイと、《教会》の最重要組織である《七星司祭》、《十字騎士》団長クラス、そして《十五使徒》らだけである。十億を超える世界総人口の中で、この側面を知っているのはたったの五十人にも満たないばかりなのだ。
その理由は、アドミナクド――――通称クドの、特殊な精神構造にあった。
「……定礼の時間だ。行くぞ」
「え〜?もうそんな時間なんですかぁ?」
可愛らしく首をかしげてみるクド。それが余計にスワイの苛立ちを募らせる。とにかく我慢だ、と自分を律しながら、スワイは散らかった部屋の脇にある、部屋の電気をつけるためのスイッチにもにた《ソレ》を押す。
直後、きゅぃん、という軽快な音と共に、環境ががらりと変わった。ゴミだらけだった部屋からは、一切のゴミが消滅する。畳は無くなり、代わりに年季の入った木の床に変わる。加えて、八畳半ほどだった部屋が最低でもその二倍の大きさにと、何と部屋の広さまで変わっているではないか。
これが、《王都》……ひいては《教会》本部で最も高い場所にあるこの部屋――――一種の《玉座》ともいえる場所、”《教皇》座”に備え付けられた、特殊な機能の一つ、通称《早着替え》だ。パターンは現在十六種。一体どういうロジックなのか、スワイでもさっぱり理解ができないが、クドが《教皇》になったその日には、すでにこの部屋にはこの機能が存在していた。
とりあえず、今出現したアンティークな木造の部屋は、この”《教皇》座”本来の姿、通
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