第十二話
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応じるシリカ。
「だってよ、昨日、こういうモンスターが出るって言おうとしたら、シリカ寝てるんだよ。」
「あ、歩いてる途中で教えてくださいよ!」
うん、実に正論だ。
「…言わない方が、面白そうだったからさ。」
「そんな理由…ってキャアアアアアッ!」
俺たちが話している間にも、巨大花は触手を伸ばしていた。
シリカに気づかれずに、シリカの足元まで触手を伸ばし、シリカの足をすくい取って、シリカの身体を宙づりにした。
「わ、わわわ!」
シリカの身体には…いや、服には…当然重力が働き、その重力にバカ正直に従うスカートを、シリカが強引に抑えつける。
「しょ、ショウキさん!助けて!見ないで助けて!」
「…見ないで助けるのは無理だろ。」
顔を真っ赤にしているシリカを助けたいのはやまやまだが、流石に照れくさい。
シリカは、スカートを抑えつける手の、逆の手に持つ短剣で、巨大花の触手を切り裂こうとするが、上手くいかず、ブラブラと振り回されている。
「こ、このっ…いい加減に、してっ!」
シリカは、一瞬だけスカートから手を放し、確実に触手を断ち切る。
宙返りしながら着地し、巨大花のある一点。
花の近くの白くなっている部分をソードスキルにて貫いた。
どうやら、そこが巨大花の弱点らしく、巨大花はあっさりとポリゴン片となる。
敵を一瞬で片付けたシリカは、俺の方を振り向いて一言。
「…見ました?」
「見てない。」
何が?とかを聞かず、とりあえず即答した。
ここで『何が?』と聞いていたら、俺は死んでいたかも知れない。
「それよりシリカ。あの巨大花は、白くなっている部分が弱点らしいな。」
「はい。多分そうだと…って、ショウキさん。私の……を見てないって言ったのに、何で私の攻撃を見てるんですか。」
シリカの……には、好きな言葉を入れてね!
「それはあれだ。心眼って奴だよ。」
そんな苦しい言い訳が、今のシリカに通じるわけも無く。
「ショウキさんの…バカーーっ!!」
顔を真っ赤にしたシリカとの、モンスターそっちのけの鬼ごっこが始まった。
…本当に見たかどうかは…秘密と言うことで。
ただ一つ言えることは、思いがけず、ナイスな展開になったってところかな…
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