第百六十九話 帝国は余裕
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うですわね」
「風紀の問題もありますわね」
皆が、姐さんの指摘に納得しているが、テレーゼがそれに関しての答えを言う。
「確かに、姐さんの仰る通りですわ。だから私は、帝国歌劇団ではなく、男性専門のチームを作ろうと思うのですわ。此が出来れば、今まで女性だけだった劇にも歌にも映画にも、大きな進歩を遂げさせる事が出来るようになりますわ」
テレーゼの話に皆が目から鱗が取れた様に驚く。
「確かに、男性劇団が出来れば、色々と幅が広がりますわね」
「格好いい劇団員とか良いですわね」
「今の状態では“女性だけでバランスが悪い”とか言う方もいますから確かに好き嫌いが有る事は確かですわ」
皆口々に面白いアイデアだと話す。
「けどテレーゼ、良いの?歌劇団だって皇帝陛下の御裁可だったのでは?」
姐さんが余り我が儘は不味いのではと心配するが、テレーゼは何処吹く風の様に演技して見せる。
「姐さん、その辺は大丈夫よ。男性劇団に関して私のポケットマネーでやるならと、父上からも国務尚書からも許可は受けてるから」
テレーゼが茶目っ気たっぷりに舌をペロリと出しながらウインクして答える。
「はぁ、既にやる気満々とは、流石テレーゼだわ」
クラリッサが溜息混じりに苦笑いをすると、皆が一斉に笑い出した。
「クラリッサは心配性だものね」
幼馴染で腐れ縁のブリギッテが茶化す。
「なによ、もう」
クラリッサがプクッとほほを膨らませて赤くなる。
「やる気が満々な訳なのね。で代表者はどうするのかしら?」
「そうですわね、またメックリンガー提督に任せるわけにはいかないでしょうね?」
姐さんの質問にテレーゼがはぐらかしながら答える。
「総合プロデューサーにまた任せるのも大変ですわ」
「髭の小父さんも本職があるものね」
「そうなると、誰か良い人はいないかしら?」
「芸術と言えば、ランズベルク伯はどうかしら?」
「えー、ダメダメ、センスが良くないよ。男連中は凄いって言うけど、あの人の詩って、古典過ぎてイマイチなんだもん」
皆が喧々諤々と話しはじめる。
「で、テレーゼには此はと思う人がいるのかしら、無論テレーゼ本人がやるとかは無理でしょ」
姐さんが、テレーゼに語りかける。
そんな姿を見ながら、テレーゼは腹の中でほくそ笑みながら、自分の考えを言う。
「其処で何ですけど、芸術に関しては誰よりも詳しい方が、丁度此処にいますわ」
そう言いながら、テレーゼがニコリと姐さんを見る。それに釣られて姐さん以外の皆が姐さんを見る。
「一寸、私?」
姐さんは、いきなりの無言の指名に慌て始める。
滅多に見られない姐さんの慌て振りを見ながら、テレーゼは無言でコクリと頷く。
「素晴らしいですわ、男爵夫人ならば、芸術に非常にお詳し
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