暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos20-C騎士と魔導師の戦舞踏〜3rd Encounter〜
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常も無かった。だから先の事件とは違うんだと思っていた。ああ、リーゼ姉妹が介入していないのだから先の事件のような悲劇は起きえないはずなんだ。

「(とにかく今は・・・)事情が変わった、時空管理局員諸君。私はこれにて失礼させてもらおう」

――瞬神の飛翔(コード・ヘルモーズ)――

念話が切れると同時に俺は剣翼12枚を背より離し細長いひし形の翼10枚を展開、空戦形態ヘルモーズへ移行。飛行速度を一気に上げる。

「「「「速い!?」」」」

フェイト、アルフ、アルテルミナス、そして接近していたシャルから驚愕の声が届いた。彼女らに目をやる事なく、ひたすら頭上を見上げる。このまま結界を突破してくれる。

――ゲシュヴィント・フォーアシュトゥース――

「がはっ・・・!(な、に・・が・・・!?)」

「逃がしません♪」

右脇腹に突き刺さるアルテルミナスの右拳。信じられなかった。ヘルモーズの速度について来られる魔導師や騎士が現代に居るなど。飛行は中断され、俺は激しく咽る。振り被られる左拳。狙いは完全に俺の顔面。もし彼女の使っている魔法の効果が想像通りだとすれば、受けるのは非常にまずい。

拳打強化(フェアシュテルケン)!・・・うおおお! ファルコンメン・ツェアシュティーレン!!」

障壁ですら容易く拳打。そこに青緑色の魔力が付加された。威力はおそらく先ほどの拳打以上。ならばデバイスでの防御だ。“エヴェストルム”を構え、彼女の一撃に備えた。そして衝突。少女が繰り出せるような拳打とは思えないほどに重いその一撃に、「おい。冗談キツイぞ?」“エヴェストルム”からビシビシ、バキバキ、とひび割れる音が発せられた。
そして「馬鹿な・・・!」ついに“エヴェストルム”の片穂がへし折られた。その衝撃で俺は墜落。地面に激突する寸前で体勢を整えることに成功。“エヴェストルム”を待機形態の指環に戻し頭上を見上げ、彼女の追撃を最大警戒した直後・・・

「クロスバインド!」

「チェーンバインド!」

俺の四肢を環状魔法陣が拘束して磔の姿勢にし、続けて鎖が全身を取り巻くように締め付けて来た。クロノとアルフのバインドだ。

「すぐに砕いて――」

遅れて、「せぇぇーーーい!!」閃駆で突進して来たシャルが握る“キルシュブリューテ”の柄頭が「うぐっ!」俺の鳩尾に打ち込まれた。

「がはっ、容赦・・ぐふっ、げほっ、げほっ、ないじゃないか・・・!」

「ごめんなさい、ランサー・・・! サンダーブレイド・・・!」

頭上から聞こえてきたフェイトの謝罪と術式名。俺の側に突き立って行くのは雷光の魔力剣6本。そして「ブレイク!」フェイトの号令の下に雷光剣は爆破、放電する。俺の全身に浴びせられる雷撃。本当に容赦ないな、アルテルミナスが現れ
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