暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos20-C騎士と魔導師の戦舞踏〜3rd Encounter〜
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って来るのは強烈な熱波と衝撃。悲鳴を上げているのに、自分の声が耳に届かない。感覚が告げて来る。今のわたしは大きく吹き飛ばされて錐もみ状態だって事が。

≪マイスター、気をしっかり!≫

“キルシュブリューテ”のAIの声が耳に届く。閉じているのか開けているのか自分でも判らない目に力を入れる。くるくると回る景色。曇り空に、廃棄された建物、灰色の地面。手は? 動く。足は? 動く。魔力は? まだ十分残ってる。戦う意志は? もちろん消えてない。

――シュヴェーベン・マギークライス――

魔法陣を展開して足場とする。というか「フェイトは!?」わたしと同じように吹き飛ばされたはずのフェイトの姿を探す・・・必要も無かった。フェイトはランサーと戦っていた。ビルとビルの狭間に移動していたランサー。フェイト、そしてアルフがビルの側面を足場にしてランサーへと突進を繰り返していた。

「ったく。局員の先輩のクセしてわたしは一体なにをやってんの、って話よね!!」

自分の不甲斐無さに呆れていたら「イリス!」頭上からクロノの声が。

「大丈夫か!?」

「大丈夫じゃない」

「っ! どこかダメージを――」

「ええ、心に大ダメージを負ったよ。情けなくて、悔しくて、どうにかなりそう・・・!」

意識が薄らいでいる最中でも“キルシュブリューテ”を離さなかったことについては褒めてあげたい。けど、フェイトを独りで、捕縛担当だったアルフを参戦させたそのミスには大声で説教をかましてやりたい。

「イリス。・・・保険として待機させておいた彼女を呼んだ」

「っ!・・・どうしてクロノ!?」

わたしの展開している魔法陣に降り立ったクロノに掴みかかる。わたしは、わたし達はまだ戦えるのに。クロノは「ランサーはまだ遊んでいる状態だ。半端に追い詰めて全力を出されるのは控えたい」ってわたしから視線を逸らしてそう答えた。解ってる。ランサーは未だに本気も全力も出してないってことくらい。

「だからと言って、このまま大人しく引き下がるわけにはいかないって話よ!」

「イリス!?」

魔法陣の空中回廊を作り出して、フェイト達の元へと駆け出す。背後から「待つんだ、イリス!」クロノが制止してくるけど聞こえな〜い。そのまま直進しているところで、雷のようなものがフェイト達の側に建つビルの屋上に落ちた。

†††Sideシャル⇒ルシリオン†††

「なんだ・・・?」

フェイトとアルフの挟撃を適当にあしらっていると、すぐ側のビルの屋上に落雷のような稲光が降って来た。それを合図にしたかのように激烈だったフェイトとアルフの攻撃が急に緩み、2人が俺から距離を開けていく。一体何が来たんだ?と思い、頭上を見上げる。

「聖王教会・|銀薔薇騎士隊《ズィルバー
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