暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos20-C騎士と魔導師の戦舞踏〜3rd Encounter〜
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セイバー!!」“バルディッシュ”を振るって魔力刃を飛ばす。私を追って来ていたシューターがビルの角を曲がって来て、そしてハーケンと正面衝突。全弾斬り裂かれて消失した。

『フェイト! 今すぐそこから逃げて!!』

――轟き響け(コード)汝の雷光(バラキエル)――

「『アルフ・・・?』えっ・・・!?」

分厚いビルを貫通して来たのは一筋の蒼い雷の砲撃だった。

†††Sideフェイト⇒シャル†††

ランサーとの戦闘の最中、起こりえないはずの記憶のフラッシュバックが連続で起きた。発端はランサーが“エヴェストルム”を携えた時。

――お前が、××××・・・――

今のランサーのように漆黒の衣服を纏った誰か。名前もかすれて聞こえず、顔も陰で隠れていて見えない。この時胸に渦巻いたのは嫌悪。そして今度は剣の翼を展開した時と障壁を張った時。

――大丈夫だ。私と君が組めば、どんな災厄にだって負けることはない――

それはとても優しく、そして頼りになる勇ましい声。この時に胸に渦巻いたのは確かなる恋慕。次はフェイトの魔法をコピーした時。

――あなたって卑怯者ね。自分の魔道を使わず、他人の物を使うなんて――

誰かに向かって糾弾しているわたし? 相手の顔は――というより全身も見えない。胸に渦巻くのは嫌忌。トドメは何百と魔力の槍を展開した時。

――いくぞっ! 私たちで奴を討ち斃す!!――

もう一度回ってくる狂おしい程の恋慕――ううん、それ以上の愛慕。嫌悪→恋慕→嫌忌→愛慕とぐるぐる回ったからもうグチャグチャ。記録で観ていた時にも変な胸騒ぎは起こっていた。でもこうして直に見て、頭の中がグチャグチャになっちゃうような懐かしさが溢れて、壊れちゃうんじゃないかって思えるほどに心が震えた。でもどうしてかそれと同じように憎く思えて・・・。

「しっかりしろ、イリス! もしダメなら君は先に退け!」

わたしを抱えて飛ぶクロノからそう強く言われてしまった。すぐ「問題ない。やれる!」って答えて、「離して。ランサーの魔力弾を迎撃する」お腹に回されているクロノの腕をペシペシ叩く。

「判った。いくぞ」

クロノは一切反論せずにわたしを離してくれた。落下中に“キルシュブリューテ”のカートリッジを1発ロード、刀身に炎を纏わせる。そしてランサーの放ったフローズンバレットに向かって「炎牙崩爆刃!」炎の斬撃を飛ばして、全弾を蒸発させてやった。

「フェイト! 今すぐそこから逃げて!!」

と、そんな時。アルフの叫び声が聞こえた。ベルカ魔法陣を足場とする魔法、シュヴェーベン・マギークライスを発動して、そこに降り立つ。ランサーは二剣の柄頭を連結した元の“エヴェストルム”の穂先をあるビルへと向けていて、穂先から蒼く輝く雷撃砲
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