Episode24:魔法記者
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れている。
故に、敵の能力は全てが未知数。現在スバルが相対しているのは認識をあやふやにするという能力を有しているようだが、本当にそれだけの能力なのかは断定することはできない。
だが、それは敵とて同じこと。
「…っ!?」
スバルの背後を取り、その凶刃で首を刎ねようとした亡霊だが、突如感じたこともない圧力がそれを力尽くに押しつぶした。
「ふぅ…」
軽く息を吐き出して、スバルは地面に押し潰され倒れ伏した亡霊を見下ろした。
「さて、と。今回の標的は貴女じゃないの。これ以上、邪魔しないでくれるかしら?」
ズシン、と更に重さがのし掛かる。思わず呻き声を漏らしそうになるのを堪えて、亡霊はせめて自分が太刀打ちのできなかった敵の姿を見るべく頭上を見上げた。
「おやすみなさい」
穏やかな声音で伝えられ、亡霊は瞳を閉じた。その瞼の裏に、白い仮面を焼き付けて。
「さぁ、ターゲットさんは何処まで逃げられたのかしら?」
亡霊が昏倒したのを確認して、スバルは携帯端末を起動させた。表示されたディスプレイには、ここ京都の地図が表示されている。そして、その中の細々とした道をゆっくりと動く赤い点。
「発信機を付けといて正解だったわね。さて、行きますか」
意識を失って倒れている女には目もくれず、スバルは今なお逃げ続けるターゲットにトドメを刺すべく、夜の街へ身を躍らせた。
それが、後になって後悔することになるとは知らずに。
翌日の朝。京都の裏路地にて、ある企業に勤めている男が刺殺体で発見された。
「ふわぁ」
「…寝てないの?」
魔法記者という心強い間者を手に入れたものの凄いことを言われて精神的に疲れた翌日、隼人は何故か雫と二人だけで昼食をとっていた。
「うん…ちょっと考え事してたら眠れなくなっちゃって」
「ちゃんと寝なきゃ、いざという時危ないよ…」
「うん、気をつけるよ」
本当なら、隼人は鋼と、雫はほのかというようにいつも通りのメンバーでいつも通りの昼休憩だったはずなのだが、よく分からない連携を鋼とほのかが見せてあっという間に隼人と雫は二人きりになっていたのだ。
彼らの思惑に気づかないまま、いや、隼人だけが気づかないまま二人は顔を見合わせて、どちらともなく溜息をついて昼食をとりだして、現在に至る。
「それにしても、あの二人は急にどうしたんだろうね?」
「さ、さあ?私にも分からない…」
少しどもってしまった雫は内心しまったと思うが、鈍感な隼人はそれに気づいた様子はない。「そっかー」なんて言いながら自作のサンドイッチを頬張る。
そんな隼
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