Episode24:魔法記者
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だんまり、か。
ふむ、あまり反省の色が見られないなぁ。これは後で沙織さんに続きをお願いするしかないかな。
「君に、頼みたいことがあるんだよ」
その後、俺が浮かべた笑みを見た二人は揃って青い顔をしていた。
「大亜連合の情報が欲しいんですか?」
「うん。それも、対日問題だけじゃなくて世界全域的な情報がね」
キョトンとして問い返す魔法記者の少女に頷いて肯定の意を示す。
そう、俺が彼女と接触したかった理由は、『記者』という立場から得られる大亜連合の情報だった。
今回の一連の事件で、有志団体やブランシュの目的はなんとなく予想がついている。けど、唯一大亜連合の思惑だけが想像できない。
いや、想像ならできる。けど、想像し得るパターンが多すぎるのだ。戦争への布石、敵情調査、魔法科高校にある機密文書の奪取、生徒の誘拐……考えれば考えるほど出てきて、中々絞り込むことができない。
「さっき説明した今回の事件で、大亜連合がなにをしようとしてるのか…少なくとも、これだけは把握しておきたいんだ」
「……私が知っている情報には限りがあります。貴方が満足する情報はないと思いますケド」
「それでもいいよ。どんな些細なことでも、手掛かりになることはあるんだから」
提案に協力的な少女に安堵感を覚えながら、随分とガラじゃないことしてるなぁと思う。
今までの俺だったら、自ら事件を解決していこうとなんかしなかった。ただ成り行きに任せて、命令されればそれを遂行する。結果的にそれが解決の糸口になることもあったけど、今回みたいに自分から進んで調査とかすることはなかった。
「……なんでだろうなぁ」
「どうかしました?」
「いや、なんでもないよ」
なぜ自分がこんなに積極的になったのかは分からない。そして、それが良いことなのか悪いことなのかも分からない。
ただ、たまにはこんなのも悪くないか、と思ってる自分がいた。
「勿論、その情報にあった見返りをあげるよ。君が望むモノ、可能な限り用意してあげよう」
と、言って気づく。
「なら…」
この娘は、曲がりなりにも俺をノイローゼ寸前まで貶めた、
「私は、貴方を知りたい」
全くもってなにを仕出かすか分からない、
「九十九隼人…貴方が欲しいです」
決して、油断してはならない相手だということに。
「…………………え?」
言葉の意味をうまく理解できずに、俺は固まることしかできなかった。
「あらあらまあまあ」
ニヤニヤと笑みを浮かべる沙織さんを見る、つまり、そういうことなのだろうか。いや、違うよ
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