Episode24:魔法記者
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「…はぁ、なるほど。了解です。取り敢えず明日の放課後に風紀委員の教室に行けばいいんですね?」
「ああ、そうだ。遅刻はしてくれるなよ?」
「信用ないですね、俺」
「日々の行いのせいだと思って改めるんだな」
いやぁ、渡辺委員長ったら容赦ないな。
結局、召集に間に合わずに遅刻した俺は事情を聞かれる前に軽く説教された。まあ、事情を話したら今回の件は不問になったわけだけど、日々の積み重ねのせいでどうやら俺の信用はガタ落ちしているようだ。もっと緊張感持ってやったほうがいいかな、解雇なんてされたら笑えないし。
「それにしても、随分急ですね。まさか、いきなり明後日に討論会を行うなんて」
「まあ、真由美にも考えがあるんだろう。そもそも、あいつが討論やらで負けているところを見たことないぞ」
「ああ、まあ確かにそんな感じがしますね。壇上に立つのは七草会長だけですか?」
「実際に喋るのは真由美だけだが、一応念のために服部も壇上に立つことになっているな」
急遽、執り行なわれることになった生徒会と差別撤廃有志団体の討論会。こういった話し合いの場を設けられたということは、有志団体の要求が通ったということか。
まあ、これであの馬鹿女との話の辻褄が合うようになったか。俺があの女になんと思われようがどうでもいいけど、俺が誤った報告を促してあの女が責任をとらされるのは、ちょっと寝覚めが悪いから嫌だった。
「じゃあ、俺らは舞台袖とかに待機ですか」
「そうなるな…詳しい話は明日にしよう。お前は、早く帰宅しろ」
「了解です委員長殿」
ちなみに俺は部活には未所属だったりする。入ってみたいっていう部活なら幾つかあったけど、お仕事の都合で不可能になってしまった。もし入ることができたとしても、幽霊部員となってしまうのは免れないだろう。
それはそれで部員の人達に迷惑をかけてしまう。だから、俺は結局帰宅部という道を選んだのだ。
「んー…!」
学校を出てしばらく、キャビネットのターミナルで俺は思いっきり伸びをした。最近はガラにもなく考えなければいけないことが多くて肩が凝る。けど、お陰様で大体敵の全貌がわかってきた。
まず、目下最大の敵はブランシュだ。明後日に生徒会と討論会を行う有志同盟はブランシュに操られていると見ていい。なら、ブランシュのほうを潰してしまえば後は操り手のいなくなった人形同然。烏合の衆となった有志同盟は勝手に分裂していくだろう。
「けど、厄介なのがもう一匹いるんだよなぁ」
そう、それが今日会ったあのアホの娘…もとい大亜連合特殊工作部隊所属の龍舜花。救いようのない馬鹿だということは確かだが、それ以上に学校側の防衛システムを掻い潜ってもケロリとしている実力者であることも確
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