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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第七十章 竜神《2》
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ったのは現実空間のそれとは違かった。
 圧倒的な存在感。
 その存在自体が既にセーランにとっては絶対なものに感じられ、同時に相手の強大さを感じ取った。
 にじみ出る脂汗は圧倒され、恐怖を感じ取った証拠だ。
 血のように赤い眼。藍色に近い、深い青。黄金色の光沢を放つ角に、同じく黄金の線が体に走っている。
 美しい。
 言葉に似合わぬ力を目の前にした恐怖。
 硬直したかのように身体を強ばらせ 、無意識にセーランは唾を飲み込んだ。
 短いその時間が長いように錯覚するも、ねっとした唾が喉を通り終えた。
「力は己の本能に訴いかけるもの。欲を満たすために欲することは当然。そこに理由など存在はしない」
 竜神にとって力とは、欲しいから集めるということに等しい。
 例え宿り主の寿命を削ってまでも、力とはそれ程までに魅力的なものだと竜神の目には映っているのだ。
 力を得るために、過去の宿り主から無理に流魔を吸い取ったりもした。
 今回、現実空間に現れた竜神は力を分け与えられ、宿り主の負の感情が強過ぎるがために暴走してしまった。
 それでも竜神は特に問題視はしていなかった。
 この固有空間内からでも現実空間への干渉は可能なのだから、面倒になったら消すことが出来たためだ。
「貴様の問い掛けには答えた。今度は己の問い掛けに答えてもらおう」
「俺に答えられる質問か?」
「問題無い、内容は同じなのだからな。何故に貴様は力を求めた。答えてみよ」
 問い掛けたものと同じ問いを、今度はセーラン自身が答える形となった。
 何処からか来る精神的圧迫感。
 油断していたら押し潰されそうで、一瞬でも気を抜いたら危険な気がした。
 力を求めた理由。
 世界を少しマシにするためではない。それは日来を存続させるための、自分達の目的だ。
 自分は立派な人ではない。セーランは自身をそう思っている。
 偉人のような魅力も無いし、能力も持ち合わせていない。なんでも出来るわけでもないし、出来無いことの方が山程ある。
 間違いながら進んで来て今へと至る。ただ、自分は宿り主という以外は特に特別な能力は持ち合わせていなかった。
 一般人より内部流魔の回復速度が早いが、世界から見ればごまんといる。人類の比率から見ると少ないだけであるために、しばし特殊なものだと思われているだけなのだ。
 宿り主以外、これといった能力も無いためにきっと力を求めた。
 傀神に。
 力を求める大きな理由となったのが、
「大切な人達を守りたいからかなあ」
 我ながら照れ臭いことを言ったものだと思った。
 小等部六年生の時、まだ他人の後ろを付いていくような頃。世界状況を知る授業が行われた。
 殆どが十二かそれに近い学勢で、彼らから見ればスケールの大きい授業だった。
 セーランは魅せ
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