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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
神明裁判 D
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」
湖札はそんな大吹雪を風で払いながらマクスウェルと拳を交え、それでも押されながら、後退しながら戦い続ける。
「私以外がウィラを縛るとは、何様だ貴様ァ!!!」
「貴方に縛る権利があるわけでもないでしょう!」
湖札はほんの一瞬、拳の先に集めた空気の固まりを開放し、爆発させる。
それでマクスウェルは一瞬後退し、初めて湖札を認識する。
「邪魔をするな、小娘ェ!!!」
「お断り!!我が百鬼より出でよ、青行燈!」
湖札はその隙に檻から青行燈を召喚する。
「我は汝の物語を読み解こう。汝は語られて顕現する。汝は百の物語を身に宿し、百一の存在であり一の存在であるもの。故に我は百より一つを選び出す。」
湖札の言霊に反応して、青行燈がその姿を変えていく。
「汝は八股の蛇!八つの首を持ち、酒を好み、姫を贄に求めたもの!今ここに、その姿となれ!ヤマタノオロチ!!」
そして、湖札の言霊が終わるのと同時に、その場にはヤマタノオロチが現れた。
そして、そのままマクスウェルに襲い掛かる。
「ふぅ・・・よし、検索開始。対象、マクスウェルの悪魔。」
そして、その隙に湖札は知識から検索を始める。
それは確実な情報を元に検索していただけ会って一瞬の間に対象を発見し、湖札の手に現れた矢にその言霊が込められる。
「まがい物の蛇で、私を止められるものかァ!!!」
そして、簡単にマクスウェルに引きちぎられた青行燈が檻に戻る間に、湖札は矢を放つが・・・それは、マクスウェルに届く前に逸らされ、森の木に当たる。
「邪魔だ、小娘ェ!!!」
「あぐっ・・・!」
そして、一瞬の間に肉薄してきたマクスウェルに、湖札は殴り飛ばされ、森の木に背中をぶつける。
「私とウィラの邪魔をするやつは、全員殺す・・・死ね、小娘ェ!!!」
そして、マクスウェルは湖札に向かって拳を振り下ろし、湖札は目を閉じて、身をこわばらせる。
・・・が、いつまでたってもその衝撃は、湖札の元に届かない。
「貴様は・・・!!!」
「・・・オイ、コラ。何人の可愛い妹に手出してんだ。」
「えっ・・・?」
そして、湖札は自分のすぐ前から聞こえてきた声に驚いて、目を開く。
そこにあったのは、自分の最後の家族・・・
「魔王ごときが、殺すぞ・・・!!!」
自分の兄の大きな背中が見え、左手でマクスウェルの拳を受け、右手に大剣を持ち、マクスウェルの魔王を睨みつけている。
「おにい、ちゃん・・・」
そして、そんな兄を見て、湖札は無意識のうちに、そう漏らした。
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