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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
神明裁判 D
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トの手には、最後の一人、ウィラの両腕を拘束している鎖が握られている。
そんなウィラの目は涙目だが・・・まあ、仕方のないものだろう。
どさくさに紛れて近づいてきたペストと湖札に捕まり、鎖を巻きつけられ、こんなところまで連れてこられたのだ。

だが、リンはそんなウィラの様子を気にすることも無く、満面の笑みを返した。

「勿論、そっちの約束も守りましょう。―――皆、準備はいいですか?」

そう言いながらリンが視線を動かすと、そこには別のものたち・・・湖札以外の、ウロボロスにおいて殿下についてきている者たちが集合している。

「・・・何の話だ、軍師殿。」
「やだなあ。そんなの決まってるじゃないですか♪」

そう言いながらリンは悠然とした笑みを浮かべ、ナイフを引き抜いてマクスウェルに宣言する。
湖札はそんなリンの様子を見ながら、『神成り』を発動し、いつでも戦えるようにする。

「“マクスウェル・パラドックス”。メイカーの権限を持って、貴方の首を挿げ替えます(・・・・・・・・・・・)。二一ニ〇に現れる“歴史の転換期(パラダイムシフト)”―――“第三永久機関”の霊格をね」

その瞬間に、神と化した湖札が仕掛ける。
暴風を操りマクスウェルに攻撃したところに、

「アウラさん!おじ様!湖札さんにあわせて!!」
「わかったわ!」
『了解した!』

竪琴の音色とともに現れた雷鳴と、黒龍の口内から放たれる気焔。
その二つが湖札の暴風と混ざり合い、青と赤の派手なコントラストで彩られた派手な外装をまとうマクスウェルに向かうが、

「っ、頭に乗るなよ木っ端がァ!!!」

その全ては、マクスウェルが両手を広げるのと同時に軌道を変え、空中で爆発する。
それによって現れるはずであったリンたちへの被害は、湖札が周囲の気圧を操っていたために無かったが、そうでなければかなり危険だったであろう。

そして、そんな様子から一旦、リンと湖札は距離を置いて、建物の影で拘束しているウィラに振り返る。

「高スペックなストーカーほど怖いものは無いねー。ちょっぴり同情しちゃいます。」
「私としては、かなり同情しちゃいます・・・気を強く持ってくださいね。」
「・・・・・・あぅ。」

二人の言葉に少しは救われた気にもなれたであろうが、それでも目まぐるしく変わっていく展開についていけず、ウィラは涙目で首を振る。

「それじゃあ、ウィラさんはお願いね、リン。私が相手をするから。」
「はい。ウィラさん、走るよ!ついて来て!」

あぅあぅ、と半泣きになりながら、ウィラは先導に従う。
そこに周囲を覆いつくすほどの大吹雪が襲い掛かる。

「私の花嫁を渡せ、メイカァァァァ!!!」
「だから、そういうことは一方的に言わないでください!
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