暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep35悲しく愚かな宣戦布告〜Wail and Fury〜
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緒に行って、セレスが本当に魔術師なのかどうか見てみる」

それから30分もしない内にセレスから連絡が来て、私とはやてだけでセレスの元に向かった。

†††Sideシャルロッテ⇒はやて†††

シャルちゃんと一緒にミッドの北部タウブルクにあるセレスの屋敷に赴いた。郊外のしんみりとした広大な土地にポツンと建つ屋敷。正門の呼び鈴を鳴らすと『どうぞー、入ってきてー♪』と可愛い声が返ってきた。前なら、元気やなぁ、って思うようなセレスの声も、今やと悲しいとしか思えへん。

「すぅ、はぁ・・・よし」

門が自動で開いて、私だけで入る。シャルちゃんには隠れてもらって、セレスが本当に“テスタメント”の魔術師なのかを見て確かめてもらう。まだセレスがそうやと確定したわけやあらへん・・・。

(ただ何も知らずに、ルシル君とリインフォースと知り合いなのかもしれへん・・・)

でも、それは無いと心の内でハッキリしとる。3年も前から、もしくはずっと前からルシル君とリインフォースと会ってたんなら、私らに絶対連絡するはずや。それにフェイトちゃんがルシル君に特別な想いを抱いとることはセレスも知っとる。それやのに何も教えてくれへんかった。それはつまり、知っていながら知らせなかった。

「おーい! こっちこっち!」

屋敷へ続く石畳を歩いとると、どこからともなく聞こえた私を呼ぶセレスの声。周りを見渡すと、庭先のずっと奥に白い石柱を数本、円形に立てた小さな休憩スペースが見えた。その石柱に囲まれた休憩スペースの真ん中で、セレスが手を大きく振っとった。私はもう1度深呼吸して決意を固めて、そっちに向かって歩き出す。

「ようこそ、はやて。でもまさか1人で来るなんてねぇ。友人のお見舞いに友達を連れて来ないなんて、ちょーっとつれないんじゃない?」

「あ、ごめんな。都合が私しかつかんくって」

「あっと、別に責めてるわけじゃないんだから、そこまで沈まなくてもいいんだよ?」

苦笑するセレスに勧められるままに白いアームチェアに座る。12月の寒さが一切感じられへんこの休憩スペースからまた庭を見渡す。冬やのに枯れてへん木々。どうやらここの庭は気温操作が行われとるみたいや。そんなズレたことを思っとると、セレスはそのまま自分の席に戻って、私のためのお茶を淹れてくれようとする。

「って、病人が接客っておかしいやろ!?」

あまりにセレスが自然な動きを見せるから、そこまでされへんと判らんかった。セレスは「まぁまぁ、趣味だから♪」と笑みを浮かべて続きをしとるし。さっきまでガチガチになっとった自分がどこかに行ってもうた。

「うん、やっといつものはやてに戻ったね。どうしてそんなに緊張してるのか判らなかったけど、やっぱりはやてにはそういう雰囲気の方が合ってる」

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