それが彼女の願い通りじゃないとしても
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意志で参戦する事を選ぶ」
ずっと近くで見てきた。
相棒は誰に何と言われようと自分の動きたいように動き、自分の言いたい事を言い、常に自分の意志を貫き通してきた。
なら、相棒である自分にもその権利はあるはずだ。
「手紙がどうだの、ティアが何を望むだの関係ない。私は私の意志で動く」
真っ直ぐな瞳。
揺るがない自信に溢れた声。
その姿が、ティアと重なる。
「他人の意志がどうのこうのと口論するお前達に助けてもらわねばならないほど、私の相棒は弱くはない。お前達はギルドにいろ。私だけで十分だ」
突き放すようにヴィーテルシアは言い放ち、くるりと背を向ける。
その脚が1歩前に踏み出した。
「待てよ」
それと同時に、声が掛かる。
ずっと沈黙していたアルカの声が。
「悪ィが、意志とかそーゆーのは定番すぎて嫌いだ。だけどな、簡単に言っちまえばこういう事だろ?“好きに動け”・・・違うか?」
自分の意志で動くという事は、ティアの意志を無視するという事。
だが、それがどうした。
このギルドは前からそうだったじゃないか。
だから評議院から嫌われている。だから問題児と呼ばれている。
「好きに動くってのはオレ達の専門だろ。だったら考えるなんて専門外で面倒な事しねーで動いちまえばいい。動いてそれがプラスになろうがマイナスになろうが、動いたって事に意味があるんじゃねーの?」
そう言って、ニシシと笑う。
動いて何かを解決するタイプのアルカは頭を抱えない。
抱える必要がないからだ。
「ま、ティア助けられてミラがオレに惚れ直してくれるってなら一石二鳥だけど、仕方ねーから惚れ直してもらうのは諦めてやんよ。必要もねェしな」
ミラに顔を向け、軽くウインクしてみせる。
それに対し、ミラはいつもの優しい笑顔で応えた。
「つー事は、だ。オレがやるべき事・・・っていうか、やりたい事はティアを助けるって事だけっつー事だろ?なら話は単純だ。よーし、派手に暴れるかァ!」
背後に炎が見えそうな勢いでアルカは突っ走る。
突っ走ろうとして――――――
「すとーーーっぷ!」
「うわっ!」
ぐいっ、と。
ルーがアルカのジャケットの裾を掴んだ。
アルカは思わずコケそうになる。
「っと・・・危ねぇだろルー!」
「僕も連れて行ってよ!」
「お前はギルドにいろって。その方が安全だし・・・」
「バカぁ!」
アルカの言葉をルーが遮った。
目を潤ませ、自分より背の高いアルカを上目遣いに睨みつける。
その童顔と相まって『恋人を引き留める彼女』に見えなくもない光景だった。
「ティアが大変な思いしててアルカまで行っちゃうなんてやだよ!だったら僕も行く!僕だけ安全なトコにいるなん
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