暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep31白き羽根が散る〜Noche Buena〜
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は負けた。
・―・―・―・―・―・
“オムニシエンス”よりそう遠くない管理世界の1つスプールス。
満月を映す湖の畔に、1人の女性がフラフラと現れた。彼女は長い銀髪を靡かせて、虚ろな真紅の双眸を伏せがち、少し焦げて破けた純白の衣装。その女性は間違いなく焼滅したはずのリインフォースだった。彼女はかなり弱っているのか何度も躓き、転倒しそうになる。そして1つの大木に背を預け、ゆっくりと座り込んだ。
「私は・・・何故・・・?」
ひとり呟く。振り返ってみれば記憶にあるのは、カルド隊の闇色の炎に全身を包まれ、燃やされそうになった時のこと。消滅を覚悟した。確かに自身の身体が消えていく感覚を得ていた。しかし、消えることなくこうして存在し続けている。何故か。その答えはすぐに判った。
「フライハイトの・・・あの珠・・・」
胸の奥底から感じる妙な“力”の鼓動。そして全てを克明に思い出す。完全に消滅する前に、転移して炎から逃げたことを。
(どういう理屈かは解らないが、あの時呑んだ珠のおかげか・・・。それに・・・)
リインフォースは気付いた。ルシリオンとの繋がりが途絶えていることに。彼女は推測する。消滅寸前まで行ったことで、ルシリオンとの繋がりが消えたのではないか、と。
「ルシリオン・・・」
奇跡的に燃えて消えることの無かったヘアピンをそっと撫でる。3年と繋がっていたルシリオンとの繋がりを失った。彼女は少し寂しいような気持ちになり、それでもこうして存在しているという嬉さで、その寂しさを無理矢理晴らした。
そして彼女はゆっくりとまぶたを閉じていく。完全にまぶたが閉じ、彼女はそれっきり動かなくなり静かに眠りについた。そう。彼女が慕う家族の力となるために必要な“力”を取り戻すまで。
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