暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep29それは少し前の出来事〜Return〜
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か【我々に空腹という概念が無いが、カタリナは違う。時間的に見ても昼は過ぎている。歩きながら、もしくはカフェテラスで食事を採るのがいいと私は思うが】」

驚いたことにルシリオンは的確なプランを立てて提案してきた。私はそれに賛同し、軽く周囲を見回して、ファーストフード店を発見する。店内に入り、早速注文。カタリナは最初は遠慮していたが、空腹に耐えきれなくなったのかキッチリ注文した。

(よかった。世間の常識を散々蓄えたおかげで、恥をさらさずに済んだな)

それにしても、店内に居た客や店員の視線が私やルシリオンに集中していたが、あれはどういうことなのだろうか。“テスタメント”の幹部というのがバレたというのは考えづらい。何せ顔を晒していない。管理局が公開したというのなら話が別だが、そのような情報は入ってきていない。
何はともあれ、再びカタリナの母親の捜索を開始。もちろん昼食を済ませながらだ。しかしなかなか見つけることが出来ない。母親の方も探しているはずだが、一向にぶつかることがない。

【どう思うサフィーロ。まさか、と私は思っているのだが】

【私もそこに行きついている。最悪それだな。母親がカタリナとはぐれたことに気付いていない。普通ならありないことだろうが、母親が気付かないほどに何かに集中しているか、それとも別の理由か】

そうでないことを祈る。母親の方もきっとカタリナを探している。そうでないのなら、私の多少の怒りの矛先に立ってもらうことになる。
昼食も済ませ、ショッピングモールへと移動して捜索開始。

「ここから来た」

するとルシリオンの肩の上に居るカタリナがそう教えてくれた。つまりはこのエリア一帯で母親とはぐれたということだ。さらに人ごみが増えるが、知ったことではない。人通りの多い所を選び、カタリナの母親を探す。
そんなとき、広い通路の真ん中に小さな店を構えたアクセサリーショップに目が行った。ヘアピン。主はやてやリインフォースUの髪にもあった。手に取って見てみる。主はやてやリインフォースUに似合いそうだ。そう思っていると、背後からカタリナを降ろしたルシリオンが覗き込んできた。

「珍しいな。それが欲しいのか? ノーチェブエナ」

「ん? いや、そうではなく――」

言い切る前に、ルシリオンは私の手からヘアピンと別のヘアピンを取り、店員に「いくらだ」と尋ね、代金を払った。唖然としていると、ルシリオンはヘアピンを私とカタリナに手渡した。

「君が物欲しそうな表情を見せるのは珍しい。というより初めてじゃないか?」

実際はそうではないんだが、折角贈ってもらったのだ。ここは素直に礼を言うのが一番だろう。

「あり――」

「彼女さんにプレゼントとは。お兄さん、やるねぇ〜」

ありがとう、と言おうとし
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