暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep29それは少し前の出来事〜Return〜
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管理局に対して盛大なケンカを売ったヤバい連中。でよ? ものは相談なんだけどよ、俺らも仲間に入れてくれねぇかなぁ?」

人質に銃を突きつける男がそう言った。フードの中に隠れたクイントとティーダの眉がピクリと動く。そしてティーダが「どうしてですか?」と問い、違法魔導師集団の真意を量る。

「そりゃあ、あんたらと同じさ。管理局が邪魔なんだよ。あんたら、局が邪魔だからケンカ売ったんだろ? だから俺たちは、あんたらとなら上手く付き合えると思ったわけよ」

「・・・勘違いも甚だしい。人身売買しているようなお前たちと同じにするなよ?」

――クロスファイア・オーバードライブ――

ティーダ達の周囲に黄色いスフィアが50基と展開される。男たちは「人質がどうなってもいいのか!?」と青ざめた表情で咆える。2人は答えない。ただ人質にのみ注意を払っている。「くそっ」と悪態をつく男。ティーダは溜息を吐き、口を開く。

「撃ってみればいいじゃないですか。その女性2人が本当に人質であれば、ですが」

ティーダのその言葉と共にスフィアが輝く。男たち、そして人質にされていた女性2人も胸元から拳銃型のデバイスを取り出した。そして一斉に2人に銃口を向けるも、その前にティーダのクロスファイアが放たれる。

「少し観察すれば判る。衣服の下にある銃くらい。それ以前にこんな人気の無い場所で、女性2人だけで一体何をすると・・・?」

威力を最小限にして、長く苦しむように魔力弾の雨を男たちに当て続けた。制圧完了。非殺傷設定とされていても、違法魔導師集団の衣服はボロボロで身体中は酷く腫れている。うめき声も漏らしつつ這いずって逃走を図ろうとしている者も居るが、ティーダはその者の行く手に魔力弾を撃ち込み、“逃げられると思うな”と示す。

「少しやり過ぎじゃないかなぁ?」

「これくらいでちょうどいいんです」

違法魔導師の追跡中に返り討ちに遭い殉職したティーダ・ランスター。それゆえにティーダは違法魔導師に対して憎悪を抱いていた。クイントは彼の肩をポンっと叩き、「回収して情報を吐かせれば任務終了」と告げ、倒れ伏している男たちに近付く。

「止まりなさい」

2人の耳に届く停止勧告。周囲を見渡せば、隠れていたのかどこからともなく管理局員がずらりと立ち並んで2人を包囲し始めた。108部隊だ。その内の1人、ギンガが代表して再度2人に今度は降伏勧告を出す。

「武装を解除して、大人しく投降してください」

「ギンガ・・・」

ポツリとクイントが漏らす。そしてもう1人、クイントの視界に入る男、彼女の夫ゲンヤだ。

クイント(おまえ)なんだろ?」

ゲンヤはそう一言。俯いたクイントはただ静かにフードを脱ぐ。ギンガの顔が悲しみからか嬉しさからか、ど
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