暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep29それは少し前の出来事〜Return〜
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た矢先に、女性店員はとんでもないことを言った。ルシリオンは「そうではない」と返すと、店員はすまなさそうに謝り、「あ、奥さんだ! お子さん連れているからそうだよねぇ」話を大きくしてきた。ルシリオンの方を見上げると目が合った。
「っ!」
「???」
私はふいっと、ルシリオンから視線を逸らしてしまった。何故だ?
結局、店員はルシリオンの話を聞かずに私たちを送り出した。ルシリオンはもうどうでもいいのか溜息を吐いていた。
深く考えないように、私は早速カタリナにヘアピンを付ける。うさぎの装飾が施された可愛らしいものだ。買ってくれたルシリオンと、ヘアピンを付けた私に「ありがとう、お兄ちゃん、お姉ちゃん」と笑うカタリナ。
「先程は言いそびれたが、ありがとう、サフィーロ」
ヘアピンで右サイドの前髪を留めつつ礼を言う。主はやてとリインフォースUとは逆の方だ。
「いや。君はこの3年の間、マスターから受け取った金を一切使わなかっただろう。先程も言った通り、物に興味を持った君が珍しくてな。そのヘアピンは、私なりの記念というものだ」
そう言って、カタリナを再び肩車し「捜索再開だ」と言って歩き出した。私もすぐにルシリオンの隣へと並び立って歩き出す。
(夫婦、か。私には永遠に縁の無いものだが・・・)
周囲から見れば、私とルシリオンは夫婦に映るのだろうか。そう考えると、少し気恥ずかしいものだな、と思う。
それからショッピングモールを歩いていると、カタリナが「ママ!」と大声を上げた。カタリナの指差す方には、セールだか何だか知らないが、バッグ(おそらく高級品)の争奪戦をしている女が居た。なるほど。娘の呼びかけにも気付かないほどに熱中しているわけか。怒りがふつふつと湧いてくる。子にとって唯一の親が一体、何をしている・・・!
【抑えろ、ノーチェブエナ。私たちの目的は、カタリナの母親を探すことだ。ここから先は、私たちが踏み行ってはいけない領域だ】
私の肩を掴んでそう思念通話を送ってきたルシリオン。ルシリオンはそっとカタリナを降ろし、「もうはぐれないようにするんだぞ」とカタリナの頭を撫でながらそう言った。
「うん! ありがとう! お兄ちゃん、お姉ちゃん!」
「あ」
咄嗟に手を伸ばすが、カタリナは母親の元へと走っていく。いや、これでいい。ルシリオンの言う通り、ここから先は私たちが入って行ってはいけない領域。
踵を返そうとしたとき、カタリナがこちらに振り向いてもう1度「ありがとー!!」と大きく手を振った。私とルシリオンは顔を見合わせ、フッと笑みを浮かべた後、カタリナに手を大きく振った。これでカタリナとの話は終わりだ。
ミッションコンプリート。とは行かなかった。本来の任務に戻らないといけない。私とルシリオンは歩き
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