暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep29それは少し前の出来事〜Return〜
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実際はフードで顔が隠れているから判別できないけど、母さんだという証が映っている。両腕に装着された“リボルバーナックル”と両足に装着された“ローラーブーツ”。そして藍色のウイングロード。この3つの要素が、母さんであることを証明していた。

「俺も出る。車を回してくれ」

『了解しました』

父さんがチンクにそう指示して、急いで出動する準備を始めた。そんな中、父さんが私を見て「俺も、必要なら戦う。それが俺の答えだ」と言った。それに呆けていると、父さんは「ボケっとするな、行くぞ」と言って私の背中を1発叩いた。私は「了解です!」と返し、部隊長室を後にした。

・―・―・―・―・―・

市街地で、強制労働力としての獲物を物色していた違法魔導師。そこに突如姿を現した“テスタメント”幹部の2人への対応に、その男は戦闘を選択した。しかしそれは間違いだった。殺しの腕に自信はあった。
だが、幹部の怒りを買っている男は何もすることが出来ずに敗北。そして逃げるという選択肢を選ばざるを得なくなっていた。男は走りながら左腕を押さえ、流れ出る血を止めようと必死だった。

「くそっくそっくそっくそっ! アレがテスタメントって奴らかよ!」

運が無かった。ただそれだけだった。そんな男の足元に黄色い魔力弾が撃ち込まれる。バランスを崩し転倒しそうになるのを必死に堪え、体勢を立て直す。さらに撃ち込まれる。全弾足元。男に当てるつもりは無いらしい。

「バカにしやがってぇぇぇっ! 俺で遊んでんじゃねぇぞぉぉぉぉ!」

そう悪態をつきながら男はひたすら林の中を駆け抜ける。いま向かっている市街地に居る仲間と合流すれば、何とかなるかもしれない。そんな淡い期待を胸に秘めながら。

「大人しく投降するか、それともこのまま逃走を続け痛い目を見るか。どちらか好きな方を選んでください」

ティーダの声が林内に響く。すぐ近くから語りかけてくるような錯覚を得た男は、急いで周囲を勢いよく見回す。頭上に影が差したことで男は上を見る。そこにティーダは居た。生前は空戦魔導師。走り回る男を空から追跡することは容易かった。たとえそこが飛行の軌道が遮られる林の中だとしてもだ。

「くっっそぉぉぉッ!!」

男は胸元から拳銃を取り出し、ティーダへ向かって連射。もちろんそんなモノが通用するはずもない。見えない壁に弾かれたかのように弾丸の軌道が逸れていく。

「・・・ならば、ここで裁きを受けるんだ」

ティーダの右手に白銃が出現する。その銃口を静かに男の額に向ける。男は「ひっ」と怯えた。トリガーに掛けた指を引こうとしたティーダだったが、前方から魔力弾が数発襲いかかってきたことで、彼はその魔力弾を早撃ちで全弾迎撃する。

「助かった!」

男はそう叫んで林の中
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