ターン4 変幻忍者と太古の鼓動
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突然だけど。混乱しているときに落ち着く方法としては、今自分に起きていることを3行でまとめてみる、という方法がある。ちなみに本当か嘘かは知らない。何せ、小学生の時に近所の兄ちゃんから教えられた程度の知識だからだ。なんでこんなことを今思い出したのかはよくわからないけど、少なくともやってみる分には悪くないだろう。えーっと、
@何かと怪しい新入生、エドに絡まれる。
Aてえへんだ旦那、夕飯の支度ができてない。
B全速力で帰ったら十代たちレッド寮メンバーの他に誰かいた。
なるほど、さっぱりわからん。改めて、玄関の前に立ってこちらに手を振ってくる筋骨隆々の男をまじまじと見る。別に野郎なんて見ても面白いものは何もないことは百も承知だけれど、ノースリーブ状に加工された、元はラーイエローの制服だったとおぼしき服装やや頭に巻いた恐竜の頭のようなバンダナが目を引いたのだ。
するといつまでも距離をとったまま動こうとしない僕を不審に思ったのか、もう1度声をかけてきた。
「何してるドン?もう外は暗いんだから、そんなところで立ってないで中に入るザウルス」
「う、うん。みんなごめん、ただいまー」
僕がドアをくぐると、その黄色い男も後から入ってきてドアを閉める。とりあえず説明がほしいなあと、こういう事態には一番話の通じそうな万丈目をこっそり手招きして呼び寄せる。
「(ねえ万丈目。あの人だれ?)」
「まずお前は飯を作れ。話は全部それからだ」
空腹のあまり話す気力もない、と言いたげにそっぽを向く万丈目。うう、やっぱり僕のせいなんだろうか。でも、別に誰かがかわりに作ってくれてもよかったのよ?と思う今日この頃。もっとも、それだけ僕の料理が評価されてると思えばまあ悪い気分じゃないけども。
夕飯は手早くできるもの………よし、チャーハンでいいか。
「できたよー、チャーハン7人前ぐらい」
「相変わらずお前の作り方はアバウトだな」
そうは言うけどね万丈目さん、食べ盛りの男子高校生が相手なんだから足りない、なんてことはあっても作りすぎ、なんてことはあり得ないんだよ?これ口に出したらまた言い合いになるから言うのはぐっと我慢するけど。
「おお、待ってたぜ!」
「遅いッスよ、清明君〜」
「ふん、当然この俺を待たせただけの物にはなってるんだろうな」
『とか何とか言っちゃって〜、あのね清明のダンナ、さっきまで万丈目のアニキったらダンナが帰ってこないからってすごく心配してたんだよ〜』
「んなっ………でたらめ言うんじゃない、この雑魚め!」
『キャー、ハネクリボーのダンナ、アニキがいじめる〜』
『ク、クリ!?』
いつも通りの、(精霊が見える人にとっては)にぎやかな食卓。翔にもなんとかして精霊を見せてやりたいものだ
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