ターン4 変幻忍者と太古の鼓動
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った。結局剣山がイエロー寮に帰ってもユーノは戻ってこず、明日の朝になればひょこっと出てくるさ、と自分に言い聞かせてベッドにもぐりこむ。
「うーむ」
結論から言うと、その日の昼になってもユーノの姿は見かけなかった。ただ、授業が終わってふらりと調理室に入り込むと、そこでは現在進行形で他の問題が起きていたわけで。
「だ、か、ら!こっちだって予約でパンッパンなんですから後から来て急にそんな無茶言わないでください!」
「そこをなんとか、この通りだドン!こうやって男ティラノ剣山が恥を忍んで頭を下げてるんだから、なんとか融通を聞かせてほしいザウルス!」
「無理なものは無理です!そもそも、そういう話は私じゃなくて今日も追試中であろう先輩に聞いてくださいよ」
やいのやいのと顔を真っ赤にして叫ぶ葵ちゃんと剣山。個人的にはそーっと抜け出して見なかったことにしたいんだけど、さすがにそういうわけにもいくまい。一応僕の店だし。でも、入ったら何かめんどくさいことになりそうな気もするしなあ。
「なら、その先輩が来るまでここで待たせてもらうドン」
「いや、そういう話じゃなくてですね。そもそも、先輩の頭だとパスするのにあと2、3時間はかかりますよ?」
よし、入ろう。ちょっとだけイラッときた。正論なのが特に。
「オーケー葵ちゃん、普段から僕のことをどんな目で見てるのかはよーくわかった」
「せ、先輩!………追試、ボイコットはいけませんよ?」
「いや受かったからね!?僕だってたまには合格点ぐらいとるよ!?」
なんかこの後輩の中では、僕はとんでもないバカキャラとして定着してたらしい。否定はしない。否定はしないけど、さすがにあんまりな扱いだと思う。嫌味の1つや2つぐらい言おうとして口を開いたところで、さっきまで黙って見ていた剣山が割り込んできた。
「おお、清明さん!ちょうどよかったドン、頼みがあるザウルス!」
その後の剣山の話をまとめるとこうなる。なんでも朝から十代の所へ向かったらそれより先に翔と鉢合わせてしまい、昨日の口喧嘩の続きをしていたらそこでこんなセリフを言われたらしい。
『じゃあ、そこまで言うんなら1つ条件があるッス。清明君がやってる洋菓子店、実はアニキはあそこの………えっと、チーズケーキが大好物なんスよ。そこまで言うんなら、それを見事アニキのところまで持っていくッス』
で、それを聞いて喜び勇んで駆け付けてきたらしい。しょ、翔………。
「えーっと、剣山?盛り上がってるところ悪いんだけど」
「だから頼むドン、先輩!金ならちゃんと払うから、一切れでいいんで売ってくださいドン!」
この通り、と必死になって拝み倒してくる剣山。何と言っていいのか返事に困っていると、すっと葵ちゃん
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