第十一話
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「さて、からかうのはこれぐらいにして、そろそろ腹が減ったわけだが、朝ご飯にしないか?」
「…食べます。」
シリカも弱々しく同意しながら、俺たちは部屋を出た。
昨日と同じく、パンとシチュー…流石に朝からチーズケーキは無理だが…の朝ご飯を食べ終わり、俺とシリカは転移門に向かった。
「昨日と違って、シリカを勧誘しようとする奴がいないな。」
「ショウキさんと組むって言ったからだと思いますよ。」
へえ。
強引に勧誘したりはしないのな。
転移門の前に着き、シリカが目的地の街の名前を告げようとする。
「…シリカ、四十七層の名前知ってるのか?」
「あ。」
俺の一言に、シリカが急いで地図を確認しようとする。
「ああ、良いよ。俺が指定するからさ。」
一応覚えてるよ。
「それじゃあ、お願いします。」
シリカが一歩退き、代わりに俺が一歩前に出る。
「転移!フローリア!」
俺の一言と共に、転移門からの光が俺たちを包み込んだ。
ライトエフェクトの後、俺たちは第四十七層、《フローリア》にいた。
辺り一面無数の花で囲まれており、花のことに詳しくない俺にも綺麗だと分かる、良い景色と良い匂いが伝わってくる。
「…すごい。」
花が好きなのか、隣のシリカが感嘆の声を漏らす。
「ここ、《フローリア》は花ばっかりらしい。ついたあだ名が《フラワーガーデン》だそうだ。」
「へぇぇ…!」
予想通り、花が好きだったのかあっちへフラフラ、こっちへフラフラと花を求めて歩き回る。
「時間があって、観光気分だったら、今が見頃らしい、北にある《巨大花の森》に行けるんだが…」
「それはまたの楽しみにします。」
…お前も余裕が出てきたね、シリカ。
それで良いと思うけどさ。
「ほらほら、花を眺めるのは良いが、ピナを助けに行こうぜ?」
まだフラフラしているシリカを呼び止める。
「あ…そうですね、すいません…」
「謝る必要は無いって。眺めながらでも行けるってことさ。」
パアッと顔を輝かせたシリカと共に、花を眺めながらサブダンジョン《思い出の丘》に向かうこととなった。
背後に、俺たちを追跡している人物の視線を感じながら。
…まあ、視線なら、中層のアイドルを引き連れているからか、四方八方から殺気を感じるんだが…
気にしない事にする。
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