第十一話
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耳元に、慣れ親しんだ目覚まし時計の音がする。
ここ、SAOでは設定した時刻に、自分だけにしか聞こえない目覚ましのアラームを響かせることが出来る。
俺は、いつもそのアラームを六時にセットしていた。
「さて、と…」
床から起き上がり、掛け布団をアイテムストレージにしまう。
朝は苦手な方ではなかった。
小さい頃から朝練があったので、朝に強くならなくては駄目だったのかも知れないが。
ま、そんなんはどうでも良いか。
シリカが、隣の(俺の)ベットですやすやと寝ていることを確認して、いつもの格好に着替える。
和服の上に黒コート。
それに、日本刀、《銀ノ月》を腰に差す。
六時に起きたが、別に用事があるわけでも無く、ただのいつもの習慣だ。
とりあえず、素振りでもしておくかな。
SAOに入っている今も、素振りやトレーニングは欠かしていない。
まったく意味の無いことではあると分かっているが、長年の習慣であるので仕方ない。
誰に言い訳してるんだよ、と心の中で自分で自分に突っ込みながら、俺は《銀ノ月》を抜いて、素振りを始めた。
そして、しばらく素振りをしていて時間がたった頃。
具体的には午前7時。
「むにゃ…」
なんともテンプレートな寝起きの言葉を発して、今のところパートナーである、《竜使い》シリカが目を覚ました。
「ん?起きたか、シリカ。」
「へ?ショウキさ…」
シリカも朝が苦手ではなかったのか、あっさりと意識が覚醒したようだった。
そして、自分がどういう状況で眠りに落ちたのか、思い出したのか、顔をドラゴンのブレス攻撃を受けたような赤い色にして、頭から湯気を出していた。
…SAOは、感情表現がオーバーだからな…
「あうあうあうあうあうあうあう!?」
「落ち着け。まずは落ち着け。」
自分で何言ってるか分かってるか?
何だよ、あうあうって。
「すっ!すいませんでした!」
あうあうを止め、シリカは頭を下げた。
「別に良いよ、気にすんな…おかげで、シリカの寝顔も見れたしな。」
…分かってるとは思うが、からかう為に言ってるんだからな?
俺がずっと、シリカの寝顔を見てたわけじゃないから。
『何この変態(笑)』とか思った奴はそこで待っていろ、銀ノ月の錆びにしてやる…
…何言ってんだよ、俺。
俺が謎の自問自答(?)をやっている内に、シリカはまたあうあう言っていた。
見ていて楽しいが、そろそろ腹が減った。
「シリカシリカ。冗談だから。俺はそんな変態じゃないから。」
「え?あ、う〜…」
赤くなったままの顔と、湯気が出ている前の頭を隠すためか、掛け布団に潜り込むシリカ
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