こんなランキングがあったら不登校になってるよね
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「なんだよ、この彼氏にしたくない男ランキングって」
「文字通りだろ。彼氏にしたくない男ランキング一位、城島、冥星」
「そして二位、篠崎 隼人」
「理不尽だな」
「実に」
男二人はそろって教室の掲示板に張られたカラフルな色鉛筆で書かれた画用紙を睨む。何の権利があって毎月こんなものに名前を書かれなくてはならないのか。いや、その前に自分が彼氏にしたくないランキングの首位飾っていることに納得がいかない。断固抗議したい。
「つまり、あれか。冥星は不細工ってことか」
「黙れ、ブサイク隼人」
「……やるか?」
「……こいよ」
ちょっと汗をかいた後再び男たちは画用紙を睨む。見れば見るほどムカッとする色鉛筆だ。この、花丸で書かれているところが、またなんとも憎い。色使いが巧みで殴りたくなってくる。女子っていうのはこういうところに細かい。ファックである。
「俺は決して不細工ではない。なぜなら、それは許されないからだ」
「なぜ?」
「許されないんだ。主人公が、不細工など」
「誰が主人公だよ……」
間違いなく、こいつらがランキングに選ばれるのは、言動がキモイからだ。そもそも冥星はモテたいなどと一度も思ったことがない。授業中に爆睡するし、給食はバカ食いするし、何より、女の子に優しくない。必要とあれば暴力で訴えるのもやぶさけではないと思っている。男女差別をなくしていくのが、目標なのだ。レディーファーストとかくそくらえ。
「でもな、隼人は、不細工だろ? な?」
「えっ……私?」
「おい、通りすがりの女子に変なこと聞くな!」
「独特な造りだよね。美術の本に出てきそう」
「死ね、失せろ、くそ女」
腹を抱えて笑ってしまう。そういう言動がランキングにランクインしてしまう原因ではないか、とは口が裂けても言えない。自分が同じことを言われたらきっと今頃あの子は鼻に割り箸を突っ込ませて泣かせている。
「ところで、隣の彼氏にしたいランキングってのは何のかね、明智君」
「うむ、実に興味深いね。一位は、え〜と有原 達也か。どうでもいいけど、小説を読んだことすらないのにその名前を使うな、バカなんだから」
「達也か……あいつなら、まぁ、納得かな」
「おいおい、それはどういうことかね、ワトソン君」
思わず冥星も小説の人物をネタにしてしまった。あの隼人が他者に対して一歩引くなど、今まであっただろうか。つまり、隼人はその達也とやらなら負けても仕方がないと思っているのだろうか? 大統領になりたいとか言ってた癖に!!
「だってよ、あいつ、すっげぇいいやつだぜ? この前消しゴムで練消し作ってたらなくなっちまって困ってたら貸してくれたんだぜ? めっちゃいいやつ!」
頭が痛くなってきた。隼人が幼稚な遊びに勤しんでいること
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