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Myu 日常編
こんなランキングがあったら不登校になってるよね
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のもつかの間だった。達也は冥星が驚くような望みを言葉にした。
 それは、決して冥星には理解できない思考。しかし、全人類が、望んでやまない囁きであり、全ての人類が享受すべき権利がある素晴らしき言葉。

「一応、許可はとっておこうと思って」
「……関係ない。好きにしろ。つか、そんなことでいいのか?」
「うん……どうせバスケもこれで終わりだし、いいんだ」

 最後の言葉は、冥星の耳に届くことはなかった。ただ。有坂 達也という男はこの勝負に全力を持って臨むことは確かだ。その相応の対価を払ったつもりだ……多分。
 男と女。少年と少女。
 冥星は知らない。この世に、食欲や睡眠欲に勝るほどの狂おしい感情があることを。
 冥星は理解している。それは時に悲しみと絶望を振りまく感情であることを。
 だから冥星は知ろうとしない。愛という不確定な要素を。


「いくよ、冥星」
「こい、達也……お手柔らかに」

 とりあえずさりげなく手加減してね、という可愛らしいお願いが届くはずもなく、熱狂に見舞われた体育館で、男たちの熱い戦いが火ぶたを切った。
 こうして城島冥星は、彼氏にしたくない男ランキング一位から二位へランクインするのだった。なぜなら、あの有坂 達也に無謀にも勝負を挑んだ勇者として女子たちの情けを勝ったことが一つの要因で、もう一つは、篠崎隼人という少年が冥星の応援もせず逃亡したという噂が広まり(発信元は白い髪の男)一気に票を稼いだことだ。
 そして、三位には――。

「どうよ達也、今の感想は」
「あはは……この画用紙、破りたいね」
「「だよねー」」

 三バカトリオとして結成された男たちは掲示板に書かれた不名誉極まりないランキングを破り捨てた。麗しき友情と、揺れ動く複雑な少年少女たちの物語は、始まったばかりだ。

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