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Myu 日常編
こんなランキングがあったら不登校になってるよね
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、冥星……ボールをゴールにいれたり、奪い取られたりしたらディフェンスに変わって、相手がボールをゴールに入れたり、奪われたりしたら今度はお前がオフェンスに変わる。で、一〇点取った方、つまり五ゴール決めた方の勝ちだ」
「なるほど、つまりスラムダンクを決めればいいんだな」
「だめだこいつ……緊張して足が竦んでやがる」

 親友の狼狽ぶりには流石に同情の余地がある。まさかここまで大事になるなんて思ってもみなかったのだろう。勢いとは恐ろしいものだ。これから冥星はという男は彼氏にしたくないランキングの首位を卒業するまで、毎月、永遠に、飾られるのだと思うと……笑って、泣いてしまう。

「げっ……まずったな……」
「おい、これ以上に何がまずいんだよ」
「入口、見てみろよ……」
「あん? ああ……で?」
「いや、別に……」
「あそ……」

 男たちの気持ち悪いやりとりの原因は、入口にいる少女たちの姿だ。冥星は別段気にしている風ではないが、隼人にとって、できればこの悪だくみをしている場面では会いたくなかった人物が混じっているのだ。

「くっそ……腹減って、めぇ回ってきた……」

 突然のエネルギー不足という最悪な状況下に置かれた冥星。友人はさっきからもじもじしていて使えない。いや、最初から隼人など戦力に数えた覚えなどないが。
 この、冥星。バスケットボールなど初めてでござる! とでも言いたげな杜撰なフォームで体育館の真ん中へ立つ。

「冥星、あれは妹さんかな? 君と同じ真っ白な髪の?」
「カバディ、カバディ え?」
「海星だっけ、君たちは双子なの?」
「カバディ、カバディ へ?」
「……一応言っておくけど、バスケはカバディって叫ばなくてもいいからね」
「そ れ を は や く い え !!」

 達也は怒る冥星をおかしそうに笑いながらも、真剣な眼差しで血走った目をしている冥星を見つめる。その表情に一切の余裕はない。勝負という言葉には全力を持って臨むのが有坂 達也という少年なのだ。例え、冥星が図無の素人だとしても関係ない。ケンカを売られたら買うのが男の常識。達也は意外と暑苦しい性格なのだ。

「ところで、この勝負は一体なにが目的なの?」
「? え〜っと……勝ったら俺の仲間になれ――以上」
「……そんなことのためにここまでしたの? ほんと、冥星って面白いね」
「いや、こんな大事になるとは……もちろんすべて計算済みだ!」
「じゃあさ、俺が勝ったら何かあるの?」
「へ?」
「だってフェアじゃないでしょ? 俺も、何か望んでいいの?」
「……俺の体は、だめだぞ?」
「いらないよ……なんでクネクネするの」

 とりあえずボケなくてはやってられない冥星はなんとか自分のペースに持ち込もうと話術を駆使する。それが通用した
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