こんなランキングがあったら不登校になってるよね
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「おぃぃぃぃぃぃぃぃぃ隼人!! 裏切ったな!!」
突然目の前に現れたブ男(冥星目線)に対抗心むき出しの冥星を余所に、隼人はその少年と親しく話していた。すべては親友に嵌められた罠だということに気が付き、目の前が真っ白になる。所詮、人間は一人の生き物だ。ああそうだ、群れるのは嫌いさ。俺は野生の一匹狼だ。冥星は遠い目をして外の山々を見つめた。野生に、帰ろう……。
「お前、冥星だろ? 外部生の?」
「誰だお前は? 人のことを聞く前に、まず自分の名を名乗れ」
「……ちょっと、冥星さん? あんた何しにきたか、わかってる?」
いきなりケンカ腰で啖呵を切る冥星を涼しげな表情で興味深く見つめる達也。なるほど、このクールなリアルフェイスを叩き壊すのが、俺の宿命か、と冥星は己の成すべきことを嘆いた。それは、女子の幻想を砕くということ。達也という男に敗北の二文字を与え、己はその座を奪い取る。完璧な策略だと冥星は自分の智謀に酔いしれた。
「ごめんな、達也。こいつ、バカなんだ」
「あはは、いいよ別に。それより、さ。ケンカ、しにきたんだろ? 遊ぼうぜ、冥星、隼人。ちょうど暇してたんだ」
「呼び捨てすんなリア充!!」
「すげぇ……冥星……自分のフィールドへ知らずに誘導しちまった! さすが愛すべきバカ!」
かくして、男たちはここ集う。のちに、ズッコケ三人組(仮)と呼ばれる男たちの友情はその後、何十年にも渡り続くのだった……最悪なことに。
※※※※※※
いったい、誰が宣伝したのか。体育は熱狂に包まれていた。ありえない、さっきまでガラガラだったはずのこの空間。周りは一気にピンク色の空気を放っていた。残念ながら、その標的は冥星や隼人では『もちろん』なく――――。
「「「達也くーーーーーーん! 頑張ってぇ! そのキモ男たちをやっちゃってぇ!」」」
横断幕まで用意した応援団が勢ぞろいし、達也の英姿を拝まんとしている。当然、冥星と隼人は緊張し、冷や汗で背中はびっしょりだ。どうして、なぜ、そんな語彙しか思い浮かばない己の頭に冥星は動揺していた。
「冥星、これはもう、やるしか、ねぇよ」
「そんなことはわかっている! だが、なぜだなぜ、よりにもよってバスケ!?」
「そりゃ、お前……バスケ部だからに決まってんだろ」
己のフィールドに誘い込んだと思っていた冥星だが、どうやら誘い込まれていたのは自分の方だったようだ。達也はボールを指で回しながらこちらを涼しげに見つめていた。
汚したい、その笑顔。そんなキャッチフレーズが冥星の頭を掠めるが、しかし汚されるのは間違いなく自分の名誉であり、この死地を回避する手段は、ない。
「冥星、そろそろ始めようぜ。1on1 わかるよな?」
「タイマンですねわかります」
「ちげぇよ
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