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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep27-Aアドゥベルテンシアの回廊 〜First Battle Line 1〜
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すが、それはあくまで一握り。管理局上層部の闇はそれを許さない」
ハーデが胸の内を語っていく。彼女の言葉に乗せられているのは憐れみと怒りと、ひたすらな虚しさだった。
「
界律の守護神
(
あなた
)
なら理解できるでしょう。人という生き物は、下手に権力や富を手に入れると貪欲になる。さらに富を、権力を、と。上を上を上をひたすら目指して、下の者を蔑ろにして簡単に切り捨てる。今も昔もそうですが、管理局の上層部の局員はそんな方ばかり」
「待つんだ。ならばリンディ統括官はどうだ? 彼女なら私たちのような存在に理解がある」
「そうですね。リンディ統括官なら。ですが、私はまだ管理局を許すつもりはありませんし、改革を止めるつもりもありません」
頑なとしてハーデは頭を縦に振らない。
「それならば最後に1つだけ。ディアマンテ、いやメサイア・エルシオン。あの男は今すぐにでも消すべきだ。あの男は危険過ぎる。メサイアの目的は、君の目的を喰らい、呑み込み、全てを――」
「彼にはまだ居てもらわなければなりません。もしあなたの危惧が現実になるなら、あなたの粛清権限で十分です。それでもダメな場合、私が直接手を下せば何も問題ありません」
話はこれで終わりとでも言うように、ハーデは“オムニシエンス”の障壁発生を担う各拠点に通信を入れるためにコンソールを操作。そして最後に彼女はルシリオンへと視線を移し、口を開いた。
「ありがとうございます、ルシル。それでは眠りについてください」
「待――」
――我との契約の下、汝、我が剣となり盾となり翼となりて、我が命を果たせ――
ルシリオンは意識を失ったのかガクリと項垂れる。その様子を確認したハーデは各拠点へと通信を繋げた。通信内容は“オムニシエンス”の障壁の稼働。彼女は管理局と戦わずにこの場を乗り切ろうと考えたのだ。
障壁には任意の存在を“オムニシエンス”外に排除するという効果もある。ハーデは、今はまだ管理局との完全な敵対は危ういと判断している。それゆえに障壁さえ展開できれば、管理局をひとり残らず戦わずして“オムニシエンス”より強制的に排除が出来ると考えた。
「各基地へ通達します。至急、オムニシエンスの障壁を発生させてください」
『こちらフォスカム基地! 申し訳ありませんマスター・ハーデ! 障壁発生システムに異常が見られ、修復までしばらくかかりそうです!』
第28管理世界フォスカムに建設された拠点からの返答に、フード中に隠れるハーデの表情が凍る。
『エストバキア基地、了解しました!』
『ウスティオ基地、了解!』
『フェティギア基地、了解です!』
他の拠点からは望み通りの返答。しかし、1つでも欠ければ障壁は発生しない。かつてはそれでも問題がなかったが、すでに
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