暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep26眠り姫の目覚め 〜Xwelia〜
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入ってきて」

扉を開けて、廊下で待っていたスバル達を部屋に招き入れる。みんなは静かに部屋に入って、ベッドに眠るイクスヴェリアを見詰める。

苦境を通じ(ペル・アングスタ・)神聖なものへ(アド・アウグスタ)

そして私は最後に術式を宣告。部屋に一瞬だけ風が生まれた。暴風と言ってもいいくらいのもの。小さく悲鳴を上げるヴィヴィオとそのお友達。

「シャルさん・・・?」

風が止むと、スバルが心配そうに私を見てきて、私は頷いてイクスヴェリアを見てみなさい、と視線で告げる。スバルもコクリと頷いて、静かにイクスヴェリアの眠るベッドに近付いていく。

「イクス?・・・イクス?」

ベッドの側で膝をついて、スバルは何度もイクスヴェリアの愛称で彼女を呼び掛ける。

「・・・ん・・・スバル・・・?」

イクスヴェリアが目を覚ました。彼女の第一声は「スバル」。彼女にとって大切な友人の名前。歓声が沸く。スバルは泣いて、イクスヴェリアを抱き起こしてギュッと抱き締めたり、それを窘めるティアナも若干涙目になったり、ヴィヴィオ達も友達同士で抱き合って喜んだり。

(良かった。最後の日に、こんなに多くの笑顔を見れて)

私は静かに部屋を後にする。あの部屋の中じゃ私はちょっと浮くから。何せ私はイクスヴェリアとは友人でもなければ知人ですらない。

「シャルロッテ!」

息を切らしながら私の名前を呼んだのはセインだった。その後ろにはシスターシャッハにオットーとディード。

「もしかして・・・イクスは・・・!」

「うん、今起きて、スバル達にもみくちゃにされてる」

そう言うと、セインは身体を震わせて、思いっきり頭を下げた。

「ありがとう、シャルロッテ。本当に・・・ありが・・・とう・・・」

声が震えてる。嗚咽混じりの感謝。私はセインの肩に手を乗せて頭を上げさせる。

「私の方こそありがとう。ほら、セインも行ってきたら」

そう言うとセインはシスターシャッハに視線を送る。その視線の意味を察したシスターシャッハは「行ってきなさい」と優しく告げた。セインは「ありがとうシスター!」とお礼を言って、部屋のドアを開けて入って行った。

「お疲れ様です、騎士シャルロッテ。少し休んでいってください」

シスターシャッハに誘われて、私は何故か騎士カリムの部屋に案内された。昨日と同じように騎士カリムの部屋に入ると、もちろん騎士カリムの姿があった。しかもお茶の用意まで万全な状態で。始めから私を誘う気だったみたい。軽く挨拶を交わして、イクスヴェリアに関しての感謝をここでももらった。

「イクスヴェリアはもう大丈夫だと思います。術式も成功しましたし、これからはみんなと同じ時間を過ごしていけますよ」

淹れてもらった紅
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