憎悪との対峙
19 孤高の怪物
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のログが削除されている可能性もあるらしいが仮にそうならば復元は難しいらしい。
だがシドウの興味はヨイリーのデータの方に向いていた。
「ヨイリー博士の送信されたデータ。これの詳細がサイズ以外分からないんだ。アシッド、データの詳細は?」
『リサ・ホープスタウン分析官の資料からは分かりません。あくまで送信歴だけですから、データの詳細までは恐らくホープスタウン分析官自身も知らされていないのでは?』
「....となると...現段階で一番の手がかりはヨイリー博士だな。あまり身内を疑いたくないが...これしか手がかりといえるものがない。Valkyrieが名乗りでてくれでもすれば、話は別だが...」
シドウは深呼吸をしてワーキングチェアに腰掛け、マグカップに手を伸ばした。
しかし既にさっきから少しづつ飲み続けていたコーヒーは無くなっていた。
「あれ?もう無いか...って、コーヒーサーバーも空か...」
今思えば自室のコーヒーサーバーもさっき最後の1杯だと分かって使った覚えがある。
仕方なくシドウは自室のドアを開け、廊下のコーヒーサーバーへと向かった。
「あ、お疲れです」
「ああ、お疲れ」
シドウは同じくコーヒーサーバーにやってきていた笹塚分析官と出くわした。
身長は165cmと小柄で金髪がハネていて少しチャラそうに見えるが、一応、リサとマヤの次くらいに優秀な分析官だった。
「ふぅ、暁さん。随分と夜まで起きてるっすねぇ?もしかして夜の営みでも楽しんでるんすか?」
「生憎、相手がいねぇよ」
「ウッソ!暁さん、メチャメチャルックス良いし、部下の女とか毎晩部屋に連れ込んでたりするんじゃないの!?」
「悲しいことにルックスとモテるかどうかは別問題だ。オレはあれだよ...残念なイケメンってやつ」
「ハァ...」
「それに...相手はアイツ以外考えられないからな...」
シドウはサーバーからコーヒーを注ぎながら、ため息をついた。
「お!?暁さん、これすか!?これすか!?」
「やめろって」
シドウは正直なところ愛しの相手のことより何より事件のことを考えていた。
ヨイリーは世界有数の科学者だけあって賢い。
恐らくはデータのことは語らないだろうと読んでいた。
聞き出す手段、それを頭の中で模索していた。
笹塚が立てた小指を叩き、砂糖とミルクを加えた。
「いてぇ!!いてぇよ!!暁さぁぁん...」
「そんなに力入れてないんだが...」
「暁さんは常人とは違うキン肉マンなんすから気をつけてくださいよぉ...」
「あぁ...スマナイ」
シドウは確かに常人を超える身体能力を持っていた。
身長178cm、体重68kg、握力右左ともに80kg、50メートル走5秒28、柔道剣道、テコンドー、ジー
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