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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
19 孤高の怪物
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ついて行けなくなったのだ。
既に窓から落ちた段階で力尽きていたというのに、感情の暴走によってシステムが再起動し、彩斗の肉体を強制的に動かしている。
しかしその肉体が悲鳴を上げ、システムの挙動の足を引っ張る。

「ん?どうしたんだ!?」

ナイトメアも薄れ行く視界の中、ブライノイズの動きが鈍ったことに気づいた。
だがすぐに察しがついた。

「ハッ...アイツの体の方が限界ってわけか」

ナイトメアは内心、安心していた。
今まで自分の攻撃を受けて倒れなかったものはいない。
その自分の中で作り上げたルール通りになった。
いくら強い能力を持つ電波体と融合して誕生した電波人間といえども、ベースとなる肉体は所詮は人間、ましてやせ細った体で頭脳と技だけを武器に戦ってきた子供だ。
ここまでやっただけでも驚くべきことだった。
しかしブライノイズはそこで終わらなかった。

「あぁ....ガァアァァ!!!!」

「何!?」

急に再び動き出し、一瞬にして周囲のジャミンガーを斬り倒すとナイトメアの方を向いた。

「ハァァァ.....」

「なっ、マズイ!?」

大剣が紫色の波動に包まれ、周囲から電波エネルギーを集め始めたのだ。
ナイトメアはそれだけで体が逃げ腰になり、すぐさま退避するべく足に力を込めた。
ブライノイズの目は暴走しているというのに、先程のスターダストがナイトメアを睨む目とよく似ていた。
暴走していてもナイトメア=安食への憎しみは消えなかったのだ。
それどころか確実に強まっている。
ナイトメアは窓枠に足を掛ける。
ブライノイズは間違いなくこの廃ビルごと自分のことを潰すつもりだということが見て取れたのだ。
しかしナイトメアの巨体は僅かながらブライノイズの速度に遅れを取り、予想が現実のものとなった。

『ウラァァァァァ!!!!』

ブライノイズは大剣を力いっぱいに振りかざし、ナイトメア目掛けて巨大なエネルギー波を放った。
それは紫色と青の絡みあう光線だった。
その光はプライムタウンを覆い尽くす。
無気力に路上に寝ていた浮浪者から活気に溢れ仕事の最中だった売春婦、薬物の取引中だった売人までそれを目撃した。
ビルを貫通し、空に向かって伸びていった光。
それは数日前にデンサン港の方で見えた雷のような光と同じ様相を呈していた。
だが禍々しさが圧倒的に違っていた。
まさに全てを破壊する、自分以外を全て拒絶するかのような冷たさと恐怖に溢れていた。


















日付が変わり、10月28日午前0時21分。
WAXAニホン支部は静寂に包まれていた。

「交代の時間です」
「あ、どうも。お疲れ様です」

夜勤の職員たちは携帯食とミ
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