憎悪との対峙
19 孤高の怪物
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スターダストのシステムが彩斗の負の感情にシンクロした結果、彩斗のムーの力が暴走し生み出された怪物『スターダスト・ロックマン・ブライノイズ』だった。
「殺れ!!」
ナイトメアはジャミンガーたちに指示を出し、ブライノイズを襲わせた。
数は先程よりも増え、30人近い電波人間の群れが一度に襲い掛かる。
しかしブライノイズは全く苦戦することはなかった。
先程、ビルの中から弾き出され落下していたウイング・ブレードを拾い上げると一瞬にして原子分解され、ムーの紋章があしらわれた大剣へと再構成された。
「ヤァァ!!」
「グアァ!?」
大剣を軽々と振り回して襲いかかっている敵を次から次へと切り刻んでいく。
もはやジャミンガーたちも近づいても全く攻撃に及ぶことができず、大ダメージを受けて弾き飛ばされていくばかりだ。
接近できたとしても顔面に肘打ちを喰らい、腹部に蹴りを受けて電波変換が強制解除されてしまう。
既に勝負とは言いがたい状態だった。
食物連鎖の中で小型の草食動物の群れが巨大な肉食動物に食い殺されていく大虐殺の光景としか表現のしようがない。
「ウラァァァ!!!」
「ぎゃぁぁ!!?」
「アァァ!?」
「何だ...何なんだ!?コイツは!?」
ナイトメアは上から見ているだけで頭が目の前で起きている現実について行けなくなっていた。
戦闘不能になるどころか、先程よりも数段強化された身体能力で大量のジャミンガーを圧倒している。
そんな者は初めてだった。
恐怖すら覚えた。
悪夢を吸収され、憎悪に侵され廃人同然の状態で戦闘を続けている。
普通の人間では絶対にありえない。
まさに怪物、ムーの力を以って常人を超越した『ロキの子』であったとしても納得のいかない芸当だった。
そんなことを考えている間にもジャミンガーは残り数体にまで減っていた。
「アァァァァ!!!」
恐怖を打ち消さんばかりに大声を上げて、ブライノイズに襲い掛かろうものなら斬り殺されるだけではない。
「グッ!?」
「ガァァァ!!!」
拳を交わされ、肩をブロックされるとそのまま酷い音を立てて肩骨砕かれた。
そして更に左足を前に踏み出し、ターンして遠心力を帯びた右の踵が顔面に炸裂して顔面の骨も砕ける。
「...バケモノか....」
ナイトメアは攻撃することも忘れ、その光景をただただ直視していた。
空模様は悪化の一途を辿り、視界もぼやけ始める。
だがそんな時、転機が訪れた。
「!?う....あぁぁ....」
ブライノイズが急に左手で頭を抑えて苦しみだしたのだ。
足元は先程までの暴れるような荒々しいステップではなく、千鳥足のような弱々しいものへと変わる。
ブライノイズ=彩斗の体に限界が暴走する自分自身に
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