第百五十七話 延暦寺その十四
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
」
信長は家臣達にその通りだと話す。
「今は仕方がない」
「では戦の後で」
平手が信長に言って来た。
「あらためてですな」
「うむ、特に帝にはな」
信長は義昭ではなく帝を第一に置いて答えた。
「そうするぞ」
「畏まりました」
「その様にする。しかしじゃ」
「しかしとは」
「うむ、戦が続いておる」
信長はここで周りを見た。堂も塔も焼け落ち木も殆ど残っていない。倒れている僧兵達の骸も無残に焼け焦げている。
そしてだ、織田の将兵達はというと。
「皆疲れておるな」
「いえ、ご安心下さい」
「我等のことは」
すぐにこうした返事が来た。
「戦が終わるまで大丈夫です」
「力はあります」
「ですから殿はお気になさらぬよう」
「我等のことは」
「左様か」
信長は彼等のその顔を見て言った。
「そう言ってくれるか」
「はい、ですから」
「その言葉甘えさせてもらう」913
こう言ってだった、信長は全軍に指示を出してだった。
都から摂津に向かう、そしてその途中都で帝、将軍である義昭に謁見するのだった。戦の最中でのことであるが。
第百五十七話 完
2013・10・25
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ