第四話 第二の怪人その十二
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「終わったね」
「うん、これでね」
「毒針は使わせなかったね」
「それで勝ったわね」
「若し刺されてたらな」
その時はどうなっていたか、薊も裕香もよくわかっていた。
「あたし死んでたな」
「そうなっいたわね」
「ああ、本当にね」
「蠍の最大の武器は毒」
「その毒を使わせないうちに倒せたね」
「よかったよ」
そのことを喜ぶ薊だった。
「本当に」
「そうね。ただね」
「ただ?」
「薊ちゃん最後に飛び蹴り使ったわよね」
裕香は杯も炎も消えて跡形もなくなった怪人がこれまでいた場所を通りながら薊のところに来た、そのうえで彼女に問うてきた。
「彗星脚っていう」
「ああ、奥義だね」
「あの技は拳法の技よね」
「そうだよ」
まさにその通りだというのだ。
「師匠に教えてもらったね」
「凄い技ね」
「奥義は幾つもあるけれどさ」
薊が習った拳法の奥義、それはというのだ。
「あれはそのうちの一つなんだよ」
「他にもあるのね」
「さっきのは棒と合わせてたけれど」
「棒を投げて相手を突き刺して」
「本来は突き刺すんじゃなくて打ってさ」
投げてだ、そうしてだというのだ。
「ダメージ与えて怯めてね」
「そこで飛び蹴りを出すのね」
「炎が気になってて弾丸みたいになってたみたいだな」
こう前置きした薊だった。
「それで突き刺せたね」
「そこが違うのね」
「普通の彗星脚とさ、けれどね」
「けれど?」
「普通の彗星脚よりもずっと強かったね」
今放った彗星脚は、というのだ。薊は鋭い顔になり自分の横に来た裕香に話した。
「かなりね」
「あんなに強くないのね」
「炎と力が出てね」
それでだというのだ。
「威力が段違いになってるね」
「そうなのね」
「まあそうでもないとさ」
薊は鋭い顔になったまま裕香に話していく。
「怪人には勝てないだろうね」
「傍から見ても相当に強いしね」
「ああ、だからね」
それでだというのだ。
「あたしは勝てたよ」
「その力、本当に凄いわね」
「何で急に出て来たかはわからないけれどな」
薊にしても智和にしてもだ、このことは全くわからない。だがそれでもだった。
薊は裕香にだ、いつもの明るい顔になってこう言った。
「じゃあまたさ」
「また?」
「腹ごなしの散歩再開しようか」
こう提案したのだった。
「またさ」
「今からね」
「まだこの学園全体のことも知らないしさ」
このこともあってだというのだ。
「学園見学も兼ねてさ」
「それでなのね」
「ああ、また歩かないか」
裕香に笑顔で話す。
「今から」
「そうね、それじゃあね」
「歩いて見て覚えたいんだよ」
地図を見るよりはというのだ。
「あたし的には」
「そ
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