第四話 第二の怪人その十一
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「こんなものじゃないからさ」
「バイクはね」
「ああ、下手したら死ぬからな」
それ程のダメージを受けるというのだ。
「これ位はな」
「大丈夫なのね」
「相当力があるけれどな」
拳だけではない、ソバットもだった。
「これ位はな」
「平気なのね」
「普通の人間より強いな」
その一撃がだというのだ。
「それもかなり」
「そうなのね」
「ちょっとな」
「ちょっと?」
「攻撃は受けるものじゃないな」
これ以上はというのだ。
「防いでも痛いよ」
「そうなのね」
「ああ、こいつは強い」
動きも速かった、左の鋏でまた斬り掛かって来る、それを再びかわしたが右の正面からの蹴りも来た。それもかわし。
反撃で蹴りを入れた、後ろでステップしてかわしたその瞬間にだった。
薊は態勢を立てなおし体当たりの要領で右足の蹴りを前に突き出した、それで怪人の腹を思いきり蹴ってだった。
怪人を怯ませその喉に棒で突きを入れた、その棒には炎を宿らせている。裕香はその棒の炎を見て言った。
「そこで出すのね」
「ああ、火を使うとさ」
どうなるか、薊は両手にも炎を宿らせて構えを取りなおしつつ言う。
「やっぱり違うよ」
「攻撃力がよね」
「あと防御力も上がる感じだな」
炎を出すと、というのだ。
「力が引き出されるっていうかな」
「潜在能力が出るとか?」
「そんな感じだよ」
「そうなのね」
「ああ、だからな」
それでだというのだ。
「ここぞって時に出してさ」
「それで闘うのね」
「そのここぞって時がさ」
「今なのね」
「ああ、そうだよ」
まさにだというのだ。
「だから使ってるんだけれどな」
「そうなのね。じゃあ」
「ああ、やるよ」
裕香に応えてだ、そしてだった。
薊は喉を打たれ炎からもダメージを受け怯む怪人に対して続けて突きを繰り出す、七節棍を伸ばしそれで高速で突きを出し怪人の胸やミゾオチを次から次に打つ。
それでダメージを与えてだ、それから。
棒を怪人に向かって投げ両手を拳にし両腕を胸の前で交差させてだ、それから。
上に跳んだ、頂点に達する身体を丸め前転してだった。そこから棒を腹に突き刺された怪人に対して急降下して。
紅蓮の炎を激しく宿らせた右足で蹴りを入れた、突きの蹴りを。
それで怪人を貫いた、棒と合わせて二重に。
それから怪人の後ろに膝を折って衝撃を殺した形で着地してだった、こう呟いた。
「奥義彗星脚」
「凄いわね」
「これで決まったね」
立ち上がりだ、振り向いて怪人の方を見て言った。
「確かな感じだよ」
「・・・・・・・・・」
怪人は言葉を出さない、沈黙して立っているままだ。
だが身体が紅蓮の炎に包まれてだ、そのうえで。
炎の中で灰と
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