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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep21テスタメントの真実 〜Incarnation of desire〜
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が深く考え込み始めた。かつて自分たちが殺めた局員。復讐の炎にその身を委ねた過去の亡霊。“幻想一属”と融合するという危険なことをしてでも復讐したという強烈な憎悪に、シグナムたち守護騎士は本当に参ってしまった。

「シャルちゃん。亡霊ということは蘇ったわけじゃないんだよね?」

「そうだよなのは。人は蘇らない。それは全ての世界に定められた絶対の掟。たぶん幹部たちは、ディオサの魔道書を持つヤツによって、この実数世界に残っていた強い想いを実体化、固定された幻想。彼らは一種の残留思念かな。強過ぎる未練を残していることで虚数世界、あの世に旅立てない幽霊だね、早い話」

シャルロッテはリインが淹れてきてくれたお茶を受け取って「ありがとう」と微笑んで礼を言い、ゆっくりと飲みながらそう説明した。魔術によって、強い未練を“存在(ヒトガタ)”として固定されている幻想、それが“テスタメント”の幹部たちだと。

シャルロッテの言う“実数世界(げんじつ)”に留まり、“虚数世界(あのよ)”に逝けないまま彷徨っている強い想い。確固とした肉体を持たないゆえに“魔族・幻想一属”とも武装(ゆうごう)出来る。しかしそれは諸刃の剣。使用し続ければ壊れる。自我の損失、そして暴走、その果ての・・・。

「それにしても幻想一属を選択するなんて、魔術師はルシルのファミリーネームの意味を知っているというわけか・・・」

シャルロッテの独り言に、キャロが「どういうことですか?」と尋ねた。

「ん? キャロ達はルシルがどんなファミリーネームだったか憶えてる?」

「えっと、フォン・フライハイト・・・ですか?」

「ん〜〜、それより前。私の家に養子となる前のやつなんだけど、スバル達は知らなかったっけ?」

スバルがそう答えたのを聞いて、シャルロッテとルシリオンがこの次元世界に現れた頃から付き合いがあったなのは達が「フォン・シュゼルヴァロード」と答えた。シャルロッテは「その通り!」と右の人差し指を立てつつ説明に入る。

「フォン・シュゼルヴァロード。これはルシルが最下層魔界の、ある一国を治める魔人から貰ったモノなんだ。フォン・シュゼルヴァロードは、魔族の幻想一属を統べることが出来る特別なファミリーネームなんだよ」

「それってすごいことなんですか?」

“魔界”や“魔族”の種類など全く知らなかった上に理解できない。当然のことだが、ゆえにその特別さがよく理解できていない六課メンバー。

「結構ね。しかもファミリーネームを貰ったと同時に求婚もされたようだし。ルシルが人間に戻ったら、あの双子は結婚するつもり満々みたい。もしルシルがあの双子の求婚に乗って手を出したらロリコンも良いところだけどね」

シャルロッテの口から飛び出た求婚や結婚という単語に唖然とする
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