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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第57話 「ハイネセン到着」
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なのだ」

 不思議に思える。
 私とて屋敷のと書斎でかつての統一国家の書物を読み、民主共和制に対する思想を調べたものであったが、とても皇太子殿下には届きそうも無い。
 いやそうではない。知識としてはひょっとして、私の方が勝っているやもしれん。
 しかし実感が伴っていない。知識のみと経験に裏付けられた知恵との、隔たりを感じる事があるのだ。

「皇太子なら、何を言ってもやらかしても不思議じゃないけど」

 ラインハルトの物言いに、私とケスラー大佐は顔を見合してしまった。

「ふふふ」
「ははは」

 そうして二人して大声で笑ってしまった。
 確かにそうよな。何を言ってもやらかしても不思議ではない。
 大笑いしている我らを、ラインハルトが小首を傾げて見ていた。そのまじめそうな表情にさらに笑みが零れてしまう。
 では明日の会議のために今日はもう、休むとするか。
 ラインハルトも良く休むがよいぞ。
 大笑いしつつそう言って、寝室に向かった。
 ケスラー大佐も同様だ。
 ただ一人、ラインハルトのみが不思議そうな表情を浮かべて首を傾げ、困惑しているようであった。まだまだ子どもよのう。
 これは将来が楽しみだ。
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