第2話 マスター来る
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「おふ」
すると、ロメオはマスターの顔を思いっきり殴って泣きながらギルドを出て行った。
「厳しいのね」
「ああは言っても、本当はマスターも心配してるのよ」
ルーシィが気の毒そうに言うと、突然轟音が響く。見るとナツがさっきの依頼書をリクエストボードに叩きつけていた。
「オイイ!ナツ!リクエストボード壊すなよ」
抗議の声も無視して、ナツと獄寺はギルドを出る。
「マスター………ナツと獄寺の奴、ちょっとヤベェんじゃねぇの?」
「あいつ等……マカオを助けに行くつもりだぜ」
「これだからガキはよォ………」
「んな事したって、マカオの自尊心が傷つくだけなのに」
マスターはキセルをかぷっと咥えて笑う。
「進むべき道は誰が決める事でもねぇ。放っておけぃ」
ルーシィは近くにいたミラに話しかけた。
「ど………どうしちゃったの?あの2人、急に………」
「ナツは、ロメオ君と同じだからね。多分自分もかぶっちゃったんだろうな」
「え?」
「ナツのお父さんも出て行ったっきりまだ帰ってこないのよ。お父さん………って言っても、育ての親なんだけどね。しかもドラゴン」
予想外の言葉にルーシィは椅子からずっこける。
「ドラゴン!?ナツってドラゴンに育てられたの!?そんなの信じられる訳……」
「小さい時そのドラゴンに森で拾われて、言葉や文化や………魔法なんかを教えてもらったんだって。だけど、ある日、そのドラゴンはナツの前から姿を消した。何の前触れもなく」
「そっか……それがイグニール…」
「ナツはいつかそのドラゴンに会えることを楽しみにしてるんだろうね。そーゆートコが可愛いのよね」
「あはは………じゃあ、隼人も誰かの帰りを待ってるんですか?帰って来てない人がいるとか?」
「私も隼人の事はあんまりわからないの。ただ、ツナや隼人、武は仲間が傷つくのを極端に嫌うのよ」
「へぇ……」
「私達は……フェアリーテイルの魔導士達は……皆……何かを抱えてる。傷や痛みや………苦しみや……私も………」
「え?」
「ううん。何でもない」
ミラは何事もなかったようににっこりと笑った。
こうしてナツと獄寺。ハッピーはハコベ山にマカオを探しに向かった。
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