第2騎 転生
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・エルカデュールだ。歳は34。私は、今から約250年前に実在した国王だった。何故、ここにエル・シュトラディールとして、いるのか。・・・私は、34の時に“チコの花”の毒によって、死んだ。たくさんのモノを残して。・・そう、私は、第8代国王として、ルシウス・エルカデュールとして、“成すべき事”を“成せていない”のだ。
何故かは・・・分からないけど、私は死んだ後、どこかの場所で女性に会って、そう諭された。“お前は、帰れ。成すべき事を成さなければいけない、その場所へ”と。そうして、この時代の“私”に“転生”した。・・・理屈は良く分からない。それに、この時代は驚く事ばかりだった。アトゥスの領土は、私の在位時代よりも3分の1以下に減っていた。北は、内海まであったが、中央草原の南端カーラーン地方まで後退。西のロルウェル山脈までの領土は、山脈の南端アンデル地方まで。東のアルドゥール川までの領土が、チャンデル川付近まで後退。南は変わらず、大海まであった。・・・当然、王都パリフィスは放棄され、白華宮もアトゥスの手にはない。どうやら、占領したチェルバエニア皇国は、パリフィスを使う事もなく放棄したようだが。現在の王都は、アンデル地方の最南端の街シャフラスにあり、王宮はアイナェル神殿を使わせて貰っている。ここは、初代国王アイナ王の生誕の地でもある。また、減ったのは、領土だけではない。豊かな中央草原を失い、その経済力、生産力、技術力、そして軍事力も3分の1以下に減少していた。アカイア王国、チェルバエニア皇国との戦争に負け続け、今やこの有様、という事らしい。もはや、滅ぶ道をまっすぐ、走って進んでいるようなものだ。
―私は、“成すべき事”を“成せる”だろうか。本当の“平和”を、皆に・・そして、最愛の友に・・・。
第2騎 転生 完。
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