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英雄王の再来
第2騎 転生
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、そのまま言葉にする。変な言い訳や、言い繕いはしない。彼女は、確かに怒っているように見える。しかし、“敵意”や“悪意”を微塵も感じる事はない。彼女に言われて、ふと、自分が何をしていたのかと思う。・・私は、苦しんでいた。何者かに“チコの花”の毒を盛られ、その毒に少しずつ蝕まれていたのだ。最初は、身体が怠いと、感じるだけだった。しかし、その身体は、日に日に言う事を聞かなくなる。熱を持ち、怠さと倦怠感が体を支配し、次第に意識さえ支配されるようになった。時間と共に、私は、ベッドから起き上がることが出来なくなっていた。

「・・なるほどな。」
彼女は、私を見つめていた。見定めるように、心の内を覗くように。不思議と、嫌な感じはしなかった。私は、まだ何も話してはいない。それでも、彼女は、何かを感じたかのように、何かを納得したかのように頷いた。

「お前は・・・ここに来る人間じゃない。」
噛みしめるように言う。何故か、その顔は“悲しみ”の色を帯びていた。彼女は、初めて私から目線を外した。

「ここに来る?どういう事だ?」
私は、少し前に乗り出していた。ベットで寝ていた私は、今や、自由に身体を動かす事が出来る。呼吸や言葉を発することも、辛くはない。多くの事が、先ほどまでの自分と違う。そう、思い出したのだ。・・・答えが欲しい。何故、自分がここにいるのか。

「まだ・・・成すべき事を成していない。安寧の時を、得る事は出来ない。」
まだ、彼女は目線を外したままだ。まるで、その感情を私に見せまいと、しているかのように。それでは、分からない。どうも、抽象的な事ばかりだ。成すべき事?安寧?何の事なんだ?再び問い返す前に、彼女が先に声を発した。

「・・・英雄として、王として、人として、友として。成すべき事を成していないんじゃないのか、お前は。」
ずっと外していた、その目線を私に戻した。それは強く、厳しく、激しく、鋭い眼をしていた。

「・・・・英雄?王? 人?・・・友?・・。成していない・・?」
彼女の言葉が、私の頭の中を木霊する。私は・・・何を成していない?英雄、王として・・・アトゥス王国を、大きく強い国にしてきた。人々が安全で、安心出来る国にしてきた。しかし、あの国は疲弊している、戦いに、悲しみに、苦しみに。
人として、友としては・・・・“ルミウス・・死なないで下さい。私を、置いて行かないで・・・。”ナラヴェルの、最愛の友の、声が聞こえた。彼は、私をずっと支えてくれた。小さい頃からずっと、一緒に育ってきた。父上が戦死し、14歳で王位を継ぐ事になり、悲しみに、苦しみに、もどかしさに、悶えていた私を、彼は救ってくれた。英雄王という名に重圧を感じ、潰れそうになった時も導いてくれた。最期のあの時も、一緒にいてくれた。私をいつも救ってくれた彼との、ナラヴェ
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