DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第二十三話
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ノイゾだし、この制服か?はアニィだな。ペンダントはたぶんトリスだ。で、エインだけが手描きイラスト。『ミナトへ』だとさ」
さまざまなプレゼントが皆徒に渡されていく。一つひとつを受け取るたびに、彼女の表情が輝いていく。
「で、こっちはミカで、これがガヴラの。そいで、こっちがウリエで、こっちがラファエラかな。この本!これはラジエラの自信作だな。気合入りすぎだろ。このところてん半額券はサンディだな。間違いなく。それでもって、こっちがシャルルフォンシャルロッテとサクリファイス、あとサタナイルので、これが多分一号機からだな。まだあと29999有るから気を付けろ」
「はーい」
「グリーア部隊からのは割愛としまして、じゃじゃ〜ん、こいつが俺からのプレゼント〜」
そして少年が、シンプルに、しかし可愛らしく装丁された箱を取り出す。
「うわぁ……!開けてもいい?」
「もちろん」
皆徒が箱をひらくと、中には一冊の本と、綺麗な洋服が入っていた。レースが小さく着いたその服は、幼い少女には非常によく似合うように思えた。
「わぁ……この本欲しかったんだぁ……!それにこのお洋服!」
「どう?気に入った?」
「うん!」
「よかった」
少年は、再び皆徒の頭をなでる。皆徒は目をとじながら、ぽつり、と呟いた。
「いつかこの服を着て、外に出られるかな?お父様と、皆徒と……お母様と」
「……」
少年の動きが止まる。そのまま数瞬少年は止まったままだった。
「……大丈夫さ」
そして小さく、しかしはっきりと言った。
「大丈夫さ。また、外に出られるよ。その時は、この服をきて、出かけよう。俺と、皆徒と……君の『お母様』の3人で。できれば、本当の『お母様』と」
「うん!」
にっこり、と、幼い女神は笑った。
少年が扉の外に出ると、再び黄金の鎖たちが部屋を塞ぐ。少年は一人、暗い表情で呟いた。
「……『大丈夫』、か……何でだったんだろうな。なんで、そんなことをあの子に言わなくちゃいけない状態になってしまったのかな……」
言わなくても良かったはずなのに。そんなことを言わなくていい未来が、約束されていたはずなのに。
「……少なくとも、この世界の《未来》は、俺の思い描くように変わっていく」
少年は、空中にホロウィンドウを出現させる。
「――――特定のユニットIDの無条件侵入を許可、っと。……皆徒、信じてるよ。君は俺の娘だからね」
少年は時空をゆがめて、いずこへと去って行った。
神話の勇者たちが、光の神王の攻撃にさらされた、丁度その時の出来事だった。
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