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戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
十二章
瀬田の大橋へ急行
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は、その手に引っかかった相手の、情けない負け惜しみだ。犬の遠吠えになるだろう」

「勝てばいいって事なの?」

「少し違うな。弾正少弼、己の信念に従う、という武士の誇りを持っているって事かな。梅」

「言ってる事は正論ですわね。ついでに言っておきますが、信念の目指すところが勝利なのか。はたまた潔さのなのか、生き残るという事なのか。それは人それぞれですから、しかと分かりませんけれど。その信念に従って精一杯生きる事こそ、武士の誇りという事ですわ」

「信念に従うか。今回の松永弾正少弼が持つ、信念に従った行動だと梅は言いたいんだな」

「真意は分かりません。ですが根底にそういったものがあると、私は睨んでおりますわ」

「ふむ。そういう事なら、実際に弾正少弼に会う必要があるな」

「御意。・・・・で、ハニー。一真隊の動きはどうなさいますの?」

「最悪の状況にならないように、久遠の護衛だけに力を割くつもりだ。久遠だけは守り抜く、それが俺達の仕事だ」

「了解です!きっとお譲りしてご覧に入れますよ!」

「頼りにしてるぞ、小波」

「お側に」

「悪いが、先行して麦穂達の周辺に、松永方、もしくは三好方の草や兵隊が潜んでないかを探ってくれるか?天の眼でも限度はあるからな」

「御意。・・・・居た場合は?」

「・・・・そちらで任せる」

「承知。では速やかに処理に向かいます」

と言って行ってしまった。天の眼=衛星カメラから見ても分かるが、このままでは小波に出番がないので行ってもらうことにした。きっと小波なら、適切に処理してくれるだろう。

「詩乃と鞠は俺の側に。ひよ、ころ、梅の三人は部隊配置の相談しといて」

と言ったら返事をしたので、早速行動開始だ。各員に指示をしてから、俺達は行軍で混雑する街道の脇を駆け抜ける。後方にいた俺達は先行する久遠に、追いつこうとして走った。走る事数十分。先行する久遠達に合流した一真隊は一糸乱れぬ動きで、周辺警護のための配置についた。ひよところの指揮も、中々いい動きだ。が、梅の指揮する行動の方がよかった。さすが近江の麒麟児かな。久遠が連れている仲間は壬月、エーリカ、葵と歌夜。それに馬廻りを入れて総勢五百に一真隊を加えて七百。その七百の集団が、瀬田に向かって駆け足で進軍しているのだが、あと数里で到着、という場所で一度休息を取る事になった。休憩している一真隊の仲間達に声をかけていると、視線の先に葵と歌夜がいたので俺は二人に話しかけた。

「あれ?綾那と女狐じゃなくて悠季は連れてかないのか?」

「あの二人は松平衆の引率を頼んでいますから」

「そうか。歌夜とは久しぶりだったな。元気にしてたか?」

「うふふ、はい。ご無沙汰しております一真様」

ペコリと
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