十二章
行軍(2)からの使番
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だんだったな。
「スマンが先に行く。訳は後で聞くがゼロ!馬からバイクにチェンジだ!」
俺が馬からジャンプしたら、乗ってた馬がジャンプしたと思ったらバイクにチェンジ。ヘルメットを被り本陣へ向かう。後ろから声が聞こえたような気がするが後回しだ。
「久遠!」
俺はバイクで久遠の元に辿り着いた後に、バイクから馬に戻したけど。ヘルメットもしまった。
「何があった?」
「うむ。実はな・・・・あの松永弾正少弼が、降伏を申し出てきたらしい」
「・・・・はい?」
久遠の言葉に思わず疑問形で答えた。倒すべき敵が、降伏する何て。
「松永弾正少弼って、これから退治する予定の敵でしかも親玉が降伏?」
三好三人衆も敵のはずだけど、それを操っている黒幕が松永弾正少弼だったはず。
「そうだ。予想だにしない変事が起こったのだ」
「予想外な報せだな」
「麦穂もそうらしくてな。降伏の理由を聞くためにも、すぐに来てくれと言ってきた」
「その使番、本当に麦穂の手の者なの?」
「松永の策略だとでも?」
「俺だったらまず疑うね」
「しかし大丈夫だ。使番は麦穂子飼いの者だ。壬月も確認している」
「なら確報だな」
「うむ。よって我と壬月、エーリカで先行するのだが、一真に護衛を頼みたい」
「分かった。準備しよう」
「一真」
久遠が躊躇いがちに声をかけてきた。
「状況が混迷してきている。また一真の力を借りる事になるかもしれん」
またか。きっと迷惑だろうとでも思っているのだろう。
「何度も言うが、気にする必要はない。俺が好きでやっている事だ」
言いながら、俺は久遠の頬を両手で包む。
「久遠のためなら何とでもできる、それに俺は神だ。目の前にいる者の願いを叶えるのも俺の仕事だ。黒鮫隊もいる事もな」
「ありがとう」
「ではご褒美の前払いをもらおうか」
「え?」
と言う前から俺は久遠を抱き着いた。困惑する久遠だったが、俺が翼を出して包み込むと落ち着いたようだ。
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