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人狼と雷狼竜
ひとつの答え
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に斬撃は十分な加速と威力を得られなかったようだ。
 しかし、刃を持った翼が徐々に大剣にめり込んでくる。ナルガクルガの翼に備わった刃は、鉄塊すらも切り裂く切れ味を有していた。
「このっ!」
「やああっ!」
 小冬と神無が武器を手に右側面から切り込む。
 しかし、ナルガクルガは軽快なバックステップで距離を取って回避する。その際は翼の刃に大剣を食い込ませたままだった為、テツはその際に武器から手を放してしまった。
「しまった!」
 テツが武器を奪われて己の迂闊さを呪うが、ナルガクルガはあろう事か翼の刃に付いた大剣を咥えて外すと、そのまま噛み砕いてしまった。
「フーっフーッ」
 ナルガクルガは息を吐いて口内に残った破片を吐き出す。敵を前にしてのその行為は余裕の現れそのものだった。
「この野郎! 奥の手をブチ込んでやる!」
 正太郎が列を割って前に出た。手にした銃槍は、その銃口から青い炎が噴出している。
「それは!?」
 予備のナイフを抜こうとしていたテツが瞠目する。
 正太郎の手にしている銃槍という武器には、通常の射撃に用いられる弾丸を装填しておく弾倉とは別に独立した大型の薬室が用意されており強大な威力を持つ。
 それは『竜撃砲』と呼ばれる銃槍の切り札である。
 つまり敵を前にして余裕の態度を取るナルガクルガに、火傷じゃすまない重傷を与えられる一撃だ。
「喰らいや……があっ!?」
 しかし発射の瞬間、ナルガクルガはその棘だらけの尾で銃槍を打ち払い、銃槍を半ばから破壊した。宙を舞う銃槍の片割れは空中にて砲弾を明後日の方向へ吐き出し、地面に突き立った。
「……くそ」
 武器を破壊され、攻め手を失った正太郎が楯を前に出しつつじりじりと後退するが、ナルガクルガは容赦なく追撃を繰り出そうと姿勢を低く構え――――――

「アウォォォォォォオオン」

 ―――――――予期せぬ咆哮が響き渡った。
 ナルガクルガを含む、その場に居た全員が声のした方を見た。
「なんでアイツがまた来るんだよ……」
 タクが搾り出すような声で呟く。
 ジンオウガがそこに居た。その目はナルガクルガを見据えていた。
 対するナルガクルガは、構えを解いてジンオウガへ向き直ると嘴を鳴らして威嚇する。
 しかし、ジンオウガはそれを目にするや否や、ナルガクルガへ向けて一速で距離を詰めてその力強い前足を振り下ろしていた。
 その一撃は回避されはしたが、大地を穿ち衝撃波が暴風となって吹き荒れ、土煙を撒き散らした。
「ぶわっ!?]
「目がっ!?」
 ナルガクルガに近かったハンター達が暴風が引き起こした土煙に飲み込まれる中、ジンオウガはバックステップでその一撃を回避したナルガクルガへ向けて、叩き付けた前足を軸とした尾の薙ぎ払いを繰り出していた。
 鞭のように
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