第五十八話 ぼったくり野郎に制裁を!
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
アルケイディア帝国旧ダルマスカ王国領港町サマルスにて。
バート交通公社の客船を襲った海賊の生き残りは帝国水軍によって捕縛された。
彼らはこの町で取り調べの末、アルケイディア帝国の法に則って裁判にかけられると帝国水軍がその場で公表した。
その後、軍船に囲まれながら海原を進み、現在はサマルスにいる。
そして港に降りる際に、バート交通公社の社員から慰謝料を渡された。
「あ、貴方がたは海賊討伐の際に協力してくださった人達ですね。船長よりこれを渡すよう申し付けられてます」
セアとバルフレアとフランの3人は慰謝料とは別にギルの入った袋を社員から渡された。
「あの海賊ってどうなるんだ?」
ヴァンが帝国軍によって連行されている海賊達を見ながらつぶやく。
「よくてナルビナ送りだな」
バルフレアがどうでもいいように呟く。
それを聞いてヴァンはやや顔を青くした。
王宮に忍び込んで帝国軍に捕まった際にナルビナの地下牢にヴァンは放り込まれたことがあるのだ。
その時のことを思い出しているのだろう。
「それでこれからどうする?」
バッシュが皆集まっているのを確認して言った。
「このまま地方都市や村に寄りながらナルビナに向かうべきだわ」
「オレもだな」
アーシェの提案にバルフレアも賛成の意を示す。
「俺としては一度ラバナスタに寄るべきだと思うが……」
セアは控えめに提案する。
「なぜですか?」
「ラバナスタからナルビナに向かう商隊は多い。それに紛れていけば安全に国境まで近づける」
「……」
「それに食料やらなんやら買い込んでおくべきだ。地方都市ならともかく村だとそんなに買い込めないと思うからな」
「……そうですね。一度ラバナスタに戻りましょう」
アーシェはセアの提案を受け入れ、バルフレアも渋々頷いた。
「それなら西のギーザ草原から北上した方が早いわね」
「そうか、なら急ぐぞ。今日中にギーザ草原にある遊牧民の集落には着きたいからな」
話が纏まり、周りを見回した時に一人足りないことに気がついた。
「おい、馬鹿弟子は何処に行った?」
「ヴァンならちょっと小便しに行ってくるって言ってどこかに行きましたけど」
パンネロの返答にセアは少し呆れた表情をして顔を手で押さえた。
アルケイディア帝国旧ダルマスカ王国領王都ラバナスタにて。
港町サマルスと出て2日でセア達は王都に戻ってきた。
「アーシェ達のガリフ行きに付き合って、まだ1ヶ月位しかたってないはずだけど、随分懐かしく感じるな」
「色々あったからね」
パンネロの言葉を聞いてヴァンは腕を組んで今回の旅のことを思い返す。
ガルフの里で本音をラーサーと再会したり、アーシェにぶちまけたり、神都行
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ