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不老不死の暴君
第五十八話 ぼったくり野郎に制裁を!
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きがきまったり。
エルトの里がフランの故郷が判明したし、亜人達がごちゃまぜで暮すラバナスタは珍しい場所だと初めて知ったし。
神都だとロザリアのお偉いさんが出てくるし、アルケイディアの皇帝が暗殺されたなんて爆弾発言されるし、他にも覇王の遺産があったことがわかったし。
そしてミリアム遺跡だとなんかベリアスに似た……マンティコラだっけ?とかがいたし。
そうして【覇王の剣】を手に入れて遺跡を出たら神都から火が上がってるし。
戻ったら戻ったでジャッジマスターの一人倒しちゃったし、セアが自分の過去を暴露して珍しく激怒してる姿をみたり。
うん。本当に今まで一番色々なことが起こった1ヶ月だったと何度もヴァンは頷いた。

「おい、ミゲロさんに挨拶しにいっとけよ。10日間程度で戻れる筈なのに1ヶ月以上留守にしてたから多分心配してるだろうからな」
「わかった。セアはどうするんだ?」
「俺は……そうだな。とりあえず砂海亭でトマジを取っちめる」

セアは明らかに暗すぎる声を出してヴァンとパンネロに言うと市街地の方に走り去っていった。
その言葉を聞いてヴァンはセアがトマジにぼったくられたとか言ってたことが脳裏を掠めた。

(そういや、破産寸前まで高級の蛇酒を飲まされたとかどうとか……トマジ、生き残れるかなぁ)

ヴァンはトマジのことを心配しつつ、空を仰いだ。

「オレらは砂海亭に酒を飲みに行くつもりだったんだが……これだと先に必要なものを買いに行った方がいいな」
「そうするべきだとおもうわ」

バルフレアはセアが走り去った方向を見ながら呟き、フランはそれに同意した。



砂海亭の扉を開けたセアはカウンターの方に視線を走らせる。
そしてセアのことに気がついたトマジが目に入った。
トマジは店員を押しのけて逃走を図るが店の奥に入るよりセアの右手がトマジの肩を掴むほうが早かった。

「おい、トマジ。俺が来た途端引っ込もうとは一体どういう了見だ?」
「それは……その……」

トマジは顔が冷や汗だらけになっている。

「あのさ、とりあえず飲もうぜ。奢ってやるからさ」

セアの言葉に流石に他の店員が反応を示す。

「おい、まだトマジは仕事中――」

セアはポケットからバート交通公社から渡された慰謝料が入った袋を店員に突き出す。

「それは全て君へのチップだ。大目に見てくれ」
「は、はい!」
「ところでトマジ君の仕事時間は終わってるのかな?」
「はい、たった今終わった筈です」

店員の宣言にトマジが口を挟む。

「まだ数時間程働かなきゃいけない筈なんですけど……」
「安心して休め!店長には話を通しといてやる」
「え?ちょ、給料に影響が出ると思うんですが――」
「安心しろ!お前が今日一日仕事する儲
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