第十六話 感知能力
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が和んだ。今の今まで、張り詰めた緊張感の中で戦っていたから。何度、戦場という場に出ても、慣れるなんて事はない。命を懸けて何とか生き残っても、何だか、心が削れて行ってるみたいな感覚に囚われる。・・・早く、戦争終わらないかな。そういえば、と思い出して、今度はトバリ隊長に問い掛けた。
「トバリ隊長、これからどうします?」
隊長は、周りを見渡していた目をこちらに向けた。
「残念ながら、ゲームオーバーだよ。」
そう言って、手に止まっている鳥を見せた。先ほど、来た小鳥ではなく、鷹ぐらいある大きな鳥だった。
「陽動部隊は、撤退。私達、調査の小隊も順次撤退せよ、だって。」
ため息交じりの、疲れた声で言った。任務は、失敗という事か。
「任務は、失敗という事ですか?」
「そうでもないさ、1個小隊撃退したんだし、それは手柄だよ。カタナも、よく頑張ったね。」
いつもの、ニカっと大きな笑顔で、そう答えてくれた。それだけで、何となく暗い気分が晴れるようだった。
「イナリ君、ハナちゃん、治療終わったかい?撤退するよー。」
隊長は、そう言って、イナリたちの方へ向かって行った。僕もそれに続く。
「おら、いちゃついてんじゃねーよ!撤退、撤退。」
と、茶化してやった。
「「い、いちゃついてない!」」
・・仲いいなぁ。声揃えちゃって。
でも、今回も3人全員、生き残れた・・・。
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