第十六話 感知能力
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ぞもぞ動かしながら、何とか隊長の拘束から逃れようとしている。起爆札の爆発に直接当たっている筈だが、そんなに大きな怪我はしていないようだ。
「離す訳ないよ。とりあえず、色々聞きたい事があるんだけど。」
そう言いながら、隊長は拘束を強める。僕達はそれを見ながら、彼の周りに立つ。
「いた、たたたた!」
拘束を強められ、涙目になっている。
「くそ、何でばれた!お前ら“学徒”だろ!?・・・足を引っ張ると思ったのに。」
そう、悪態を付く敵に、隊長はため息を付きながら、驚愕の事実を伝える。
「君の位置に気付いたのも、この作戦を考えたのも、その“学徒”だよ。」
「な!?そんな、馬鹿な・・・俺がこんなガキに!」
敵は、信じられないとばかりに驚く。その眼は、イナリを睨みつけている。逆に、イナリは、まったくそれに動じず、相手を見返している。
「まぁ、諦めて、情報を吐いてよ。」
そう、隊長が決め台詞を言った時だった。僕達と敵の間に、クナイが刺さる。・・・そのクナイには、起爆札が付いていた。
くそっ―!
僕とイナリは、咄嗟に飛び退く。飛び遅れたハナは、隊長が抱えていた。起爆札は、爆発しない。このクナイは、もちろんの事、俺達じゃない。そうなると、誰かは決まっている―。
「おいおい、そんなガキ共に捕まってんのかよ。」
声の方向には、岩隠れの忍が3人、木の上に並んでいた。ニタニタと笑い、勝ち誇ったような顔をしている。捕まえていた奴の、残りの奴らか・・・。これ、まずいよな。捕まっていた奴もいつの間にか、向こうに逃れている。
「お前ら、橋の調査に来たのか?こんな奥地まで、ガキ連れてご苦労なこった。」
皮肉をたっぷり含むような言葉だ。それを何も意に反さず、隊長は冷静に答えた。
「そうでもないよ。だって、そのガキに捕まるような、大人が仲間じゃないからね。出来るガキなんだよ、この子達は。」
隊長は、皮肉を皮肉で返す。相手の顔が見る見る内に、真っ赤になっていく。もどりながらも、反抗期の子供のように言葉を返してくる。
「はっ、強がってんじゃねーよ!この人数相手に、お前一人で何が出来る!?」
「あぁ、さっき言った事、覚えてる?・・・この子達は、出来るガキだよ。」
その言葉に、敵は訝しげな顔する。反面、隊長は“爽やか”と言っていい位、清々しい笑顔だ。・・・何だ、この差。こっちの方が、どう考えたって不利なのに。そう思った時だった。
「火遁 炎突天打の術!」
そう、隊長の声が聞こえた。“目の前”にいる隊長は、しゃべっていない。隊長の“もう一つ”の声は、敵の頭上からだった。手に真っ赤な炎を纏わせて、敵の頭上に向かって、落ちていく。その落ちる勢いのまま、拳を敵がいる真下へ突き出した。
ドォン、という大きな音ともに、
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