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戦争を知る世代
第十六話 感知能力
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高い。」
隊長が、イナリの意見に同意する。そう言われれば、そうな気がしてきた。

「イナリ、すごいね!」
ハナが、眼を輝かせて言った。・・・何だか、面白くない。俺は、つい反論してしまった。

「でもさ、イナリ。“功を焦る”何て分からないだろう?実は、敵さん超ビビりかもしれないし・・・。」
何となく、自分でも恥ずかしいなって思っているけど、言わずにはいれなかった。

「あぁ、それはね・・・敵は1人でしょ?多分、小隊を分けて捜索してるんだ。普通なら、敵と接触する可能性が高いんだから、小隊で行動するはず。でも、小隊を分けた。と言うう事は、いかに敵を見つけたいかという事が分かる。リスクが高いにも関わらず、だよ。そう考えると、“功を焦ってる”と考えてもおかしくない。」
・・・なるほど。確かに。って、普通にちゃんとした答えが返ってきた。俺って恥ずかしい!ハナの前で、見栄を張ろうなんてするから・・はぁ。

「でも、僕達は4人だから、真正面から来ることは考えられませんね。とすると、横、後ろ、上が考えられます。そこに、トラップを仕掛けて置きます。引っかかれば敵の位置が分かります。」

「いい考えだ。それで行こう。」
隊長が同意して、作戦が決まった。僕達が動けば、ばれるかもしれないので、隊長がトラップを仕掛けてくれた。その間も、敵に動く気配はなかった。まさか、イナリの考え過ぎで、敵はこちらの場所に気付いてないんじゃ・・・と考えた、まさにその時、13時の方向にあった岩から、クナイが10本ほど飛んできた。

「―!! クナイ!」
僕は、咄嗟の事に慌てた。自分のクナイを取り出して、何とか弾き返す。皆も大丈夫。

「イナリ!敵はあそこだぞ!」
俺は、叫んだ。攻撃は、あの岩の裏から来た。あそこに居るに違いない。俺は、そこに意識を向けながら、イナリに叫んだ。相手は、イナリの考えた通りにはならなかったんだ。

「違う、あれは相手のトラップだ。あんな単純な攻撃な筈がない。右だ、右から来る!」
イナリは、それを否定した。僕が振り向くと、イナリと隊長は、岩とはちがう方向を見ている。クナイを構え、臨戦態勢だ。そこで、右側に人の気配がした。その瞬間、トラップの起爆札が爆発した。

「うわっ!」
自分達が仕掛けたトラップにも関わらず、大きな爆発に、咄嗟に手で顔を覆う。・・・トラップが作動した!? という事は、敵が引っかかったのか?確かに、俺達じゃない気配を感じた。ドサッと大きな音を立てて、その爆発した場所から何かが落ちた。それに、トバリ隊長が瞬時に飛び掛かる。僕達も、それに続いて地面に降りた。煙が晴れると、そこには、トバリ隊長に拘束されている岩隠れの忍がいた。

「くそ!離せ!」
大きな声で叫んでいる。トバリ隊長と同じ位の歳だろうか。身体をも
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