第十六話 感知能力
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言えば、それは不可思議な神の力、という事で収まる。そんな事があるだろうか・・・あったとしても、それはきっと・・・。と考えていた所で、遮られる。
「・・トバリ、この話は、堂々巡る。何せ、情報が少な過ぎるからの。しかし、それに関わらず、イナリの力になってやって欲しい。イナリは、“孤独”なのじゃ。普段から、人懐っこい所を見せてはおるが、それは偽りの仮面。本当の自分を、自分の気持ちを隠すためのな・・・それは、自分自身では気づいていないやもしれん。他人に、“大切な人を失う気持ち”をさせたくない、という行動をするのは、その裏に、それを見て、自分が隠してきた“孤独”という気持ちを、無意識に出したくないと思っているかもしれん。」
それを出さないのは、もう傷付きたくないからか・・・。彼は、私たちが思っている以上に、心の傷が深いのかもしれないな・・・。
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火の国暦60年8月5日 昼
土の国 岩隠れの里勢力圏 暁の森〜神無毘橋周辺
うちはカタナ
「あ、いえ・・・敵の位置なんですが、多分・・13時の方向、岩の後ろに1人です。」
イナリは、そう言った。少し、言いにくそうに。
「お、おかしかったですか?トバリ隊長?」
「あ、いや・・・すごいよ。イナリ君。」
トバリ隊長は、素直に驚いているのだろうか、呆けた顔をしていた。すごい、確かにすごい・・・俺なんて、全然分からなかった。これが・・・火影様が言っていた、ふしみ一族の力なのか。しかし、イナリの凄い所はそこだけじゃなかった。
「じゃあ、イナリ君は敵がどう行動するか、分かるかい?」
トバリ隊長が、イナリに問い掛けた。・・・どうって、そんなの“逃げる”の一択に決まってるじゃないか。こっちは4人、向こうは1人なんだから。
「・・・敵は、恐らく攻撃を仕掛けてきます。」
「!? え、なんで?」
つい、声に出てしまった。自分の中では、あり得ないと思っていた答えだったからだ。イナリは、トバリ隊長から俺に視線をずらして、話を続けた。
「敵は、恐らくだけど・・・こちらに気付いてるんだよ。僕たちが何人で、どのような構成なのか・・・。そして、多分、任務の内容も知られている。」
イナリは、静かに、冷静に、そう言った。
「僕達は4人だし、隊長以外は、身を隠すのがそんなにうまくない。すぐにばれるだろうし、それに伴って子供3人、大人1人ってのも分かる。・・敵は、僕達を“学徒”だと思っているはず。この前と同じようにね。・・そう、考えれば、敵は“功を焦る”かもしれないって話。」
「うん、そうだね。その可能性が
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